ゼロ

ベター・コール・ソウル シーズン4のゼロのレビュー・感想・評価

4.3
ソウル・グッドマンの誕生。

全体を見渡しても、大きな動きはなかった。

前シーズンでジミーの兄・チャックが自殺を図りました。ジミーは、チャックが亡くなった悲しみはなかったが、周りはチャックとジミーの確執は知らないので、同情してくれる人が多かった。チャックと同じ会社であるハワードは、疲労困憊の姿をしており、なんだかんだで彼が一番振り回されているように感じる。

ジミーは、弁護士として働けないのもあり、転職活動をして携帯電話の店長をすることになった。暇な店を任されたので、彼らしいやり方で営業を行っていく。麻薬の売人に携帯電話を売りつける実行力があり、仲間が警察とトラブルにもなるも、キムと切り抜ける手腕は流石。

そうそうキムは、ジミーと同棲はしているものの、今シーズンで距離がどんどん離れていく優秀な描写があったにもかかわらず、仲良くなかったりするので不思議な関係。男と女の関係というよりは、ジミーに対し、責任を感じて側にいるような気はする。

最終話である「勝者」では、ジミーに弁護士の資格が戻らないことに対して、キムは全力を尽くしていた。ジミーは、評価する側に「誠実さ」が足りないと自己分析を行い、「誠実さ」があるような振る舞いをした結果、弁護士の資格を取り戻すことができた。チャックとの手紙により、キムも涙を流すまでになったが、あの法廷での告白は、ジミーの宣戦布告に思えた。おそらく、チャックのようなカッコイイ弁護士になりたかったジミーだが、兄と同じルールで戦っていては、自分は良さを出すことができない。それ故の、ソウル・グッドマン(仮面)を被り、生きていくことを誓った。彼は、彼で後戻りはできない。

またマイクサイドでは、ガスに協力し、メスを作る環境を作っていた。非常に見えるマイクも、人を殺したくない思いはあり、ずっと頑張っていた。最終話の「勝者」で、現場監督をしていた彼の命を奪わなくてはいけないとき、彼の人を殺さないという境界を壊し、後戻りができなくなった。

全体を通して大きな動きはないものの、このドラマは「人は罪を償うことができない」ということを、何度も何度も描写しており、気が滅入ることは多い。未来の本編があるからこそ、大きな努力をしても何も変わらないというのは分かる。ジミーの周りにいると、不幸になるのも分かる。それでも、人は生きていかないといけない。

キムとジミーの別れはすぐそこに待ってはいるし、本編であるブレイキング・バッドへ繋がる要素も増えてきた。例えば、ヘクターのベルは、お前がプレゼントしていたのか(笑)

気を抜かずに最後まで観ていきます。
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