ゼロ

ベター・コール・ソウル シーズン5のゼロのレビュー・感想・評価

5.0
ソウル・グッドマンとしての活動開始。

遂に兄との確執は忘れ、弁護士として活動するために、本名ではない「ソウル・グッドマン」として活動することになったジミー。前シーズンでは、弁護士の資格を取り上げられ、やむを得ず携帯電話の店長の仕事をしていたが、今シーズンから解消された。

なのに、なぜ、彼は追い詰められているのだろうか。

ファイナルシーズン(シーズン6)の前というのもあり、中盤から怒涛の展開です。おそらく状況が大きく変わったのは、ジミーではなく、パートナーであったキム。キムは、形式的にジミーと結婚すると口にしていたが、一緒になれると思ったときの、あの笑顔。自分が思い描いていた結婚像ではないとは思うが、好きな人と一緒になれることを最上に喜んでいると言葉を失くす。

ジミーがラロの弁護をして、保釈金を取りに、荒野で襲われている時も、彼女は自分ができる最善を尽くした。私たちが思っているよりも、キムはジミーのことを思っていて、私たちが思っているよりもジミーを必要としていた。ラロが自宅にやってきても、キムを全力で守った。

ああ、彼女はジミーと心中する覚悟があるんだな…と気付かされました。

ジミーは、キムをパートナーにしたのもあり、今までと同じ行動ができなくなってしまったのを理解はしているが、元の道には戻れない性格であることも理解している。シーズン最終話のハワードが口にしていたが、ジミーのことを理解しているのは、キムではなく、兄のチャックだったのだろう。それ以上に、キムはハワードのことを嫌っていたが。

シーズン8話の「運び屋」では、荒野を冒険し、10話ではメキシコに滞在していたラロの襲撃とナチョの裏切りがバレ、次シーズンから全面戦争が勃発。今までとは違い、元に来た道には戻れず、本編のブレイキングバッドへと繋がっていくのだろう。

これまでのジミー、キム、マイク、ガス、ナチョのバラバラな動きが、1つの物語へと繋がっていくドラマは見事であり、言葉を失くす。1つのスピンオフ作品と呼ぶにしては重厚な物語と入り組んだ人間ドラマを描いており、正に至高である。

次がファイナルシーズンであるので、これまでの全てをぶつけてくると思うが、その時に目撃するものは何なのだろうか。どんな形であれ、彼ら彼女らの姿を最後まで追っていきたい。
ゼロ

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