愛についての連作短篇という趣のドラマ。不幸の容赦なさは原作の昭和30年代のそれであり、当時の小説を通じて知っている雰囲気があった。しかしそれから70年が経過した日本は、山本周五郎の小説があらためて翻案され、受け入れられる状況にあるのだろう。自分たちが高度経済成長期が来ない昭和30年に生きていると思うと、なにか納得感がある。宮藤官九郎の笑いは好きな方だが、辛いストーリーとのギャップが激しくて体に力が入った。
キャストがことごとく豪華なのだが、(誰もが認める)仲野太賀が良くて再来年の大河ドラマが楽しみになった。