レナの父のマティアスが不快でしょうがなかった。
ネトフリオリジナルの同系統のドラマの中では楽しめた方だが最後があっけなさすぎ。
いやアイダ主人公ちゃうんか終盤空気かい、あの捜査員が追跡してたしクライマックスは真犯人と対決するのかって一瞬テンション上がったのに何もなしかい。
よくあるシリアルキラーの監禁もので子供たちの言動が焦点になる。子役のハンナが可愛い、というかミステリアスで神秘的な美人。ヨナタンも保護欲くすぐる可愛さ。ヤスミンは気の毒だったな……もっと気の毒だったのは車の運転手。
妻子持ちだし通報しようとしたし、めちゃくちゃ善人だったのにすげーとばっちり。轢き逃げ犯ですらなかったじゃない。
犯人はクソ。しかしマティアスの方がイライラする。次の話見るごとにストレス値を更新していくのである意味この物語における一番の戦犯かもしれない。
毎回毎回自分勝手な行動するわ傲慢な態度とるわ自分と同じ位傷付いてる奥さん置き去りにして帰るわナイーブなこと独断で決めるわ、なんか最後コイツの語りでイイ感じに締めてるのにめちゃくちゃモヤモヤした。いや母親がやるなら許せるし受け入れられたよ、あの人終始マトモなことしか言ってなかったし。
子供を奪われる悲しみは男親女親同等（お腹痛めた母親の方がまだ上かも）で父親の方が勝るなんてことないはずなんだが、その前提でいくとマティアスが徹頭徹尾自己中で、伴侶の心労に配慮しない無思慮な人間に見えたのがマイナスポイント。
最大のドン引きポイントはハンナを孫じゃなく若返った娘として見てるとこ。マジで気持ち悪い。
ていうか同じく孫のヨナタンはどうでもいいのかよ、姉と引き離して置き去りにするとかよくやれたな。
このマティアスの行動が割とスルーされてるというか、捜査官や妻が一応苦言を呈しこそするけど別段自重しないし、痛い目あって報いを受けることないしでやっぱモヤモヤした。
子供の純粋さはいい方にも悪い方にも転びえるって話。純粋さ＝善性ではない。
真っ白なスーツは何色にも染まるし、ミートソースこぼしたら汚れはこびり付く。
犯人は本当にクソだからもっと苦しんで死んでほしかった。被害者本人が復讐したのはいいと思うんだけど、引っ張った割にはあっけない最後。アレだけのことしでかす動機も、幼少期の母親の失踪だけじゃ弱い気もする。
息を引き取る間際に手を見せたあたり彼自身も支配的な祖父に虐待されてたのかもしれないが、それで被害者や子供たちへの仕打ちが許されるわけじゃ断じてない。
レナはともかく他の被害者はなんで死んだんだろ？自殺？あの環境じゃ肉体より先に精神が参ってもおかしくないが、レナ＝母親の存在にこだわってた割にすぐ殺しちゃうあたりも破綻してる。折檻やりすぎたのかもしれないが。
レナの元恋人は父親だって判明した時点でフェードアウトで、絡んでこないから何で出したの？と疑問。
施設の車椅子少年に至っては意味深にハンナ見てたけど、接触してこないのかい！
てっきりハンナに恋して交流を経て彼女の心を開かせるかと思ったら弟の方に行くんかい、しかもやりとり一回だけじゃん……。
捜査官とアイダが顔見知り？っぽい掛け合いも何だったんだ。アイダ自身が何かの事件の被害者で、それで捜査官が顔を知ってたんじゃないかって思ったら最後までスルー。
まあまあ面白かったんだけど、上記の要素が引っかかりすぎて手放しには称賛できない作品だった。
