ブリー・ラーソンが主演と製作総指揮を務めるApple TV+オリジナルのドラマ。
原作小説は未読。
1950年代〜を舞台に、科学者でありながら博士号取得の道を阻まれた主人公エリザベスが、ふとしたきっかけで料理番組のホストを務めることになるストーリー。
女性の生き方やフェミニズム的なテーマに加え、黒人の権利なども描く社会派な作品。
でもとっつきにくさはなく、映像がお洒落でとても見やすい作品だった。
エリザベスが飼っている犬がモコモコしていて可愛いので犬が出てくる作品が好きな人は必見。
主婦層向けの夕方の料理番組であっても、お偉い男性スタッフの意向で服装や見せ方を男性好みにしろと口出しされるのは本当に気分悪い…
そして今でも多かれ少なかれ、エンターテインメント業界で女性の意向や権利が侵害されることってあるんだろうなあ。
その状況に毅然と抵抗しようとするエリザベスの姿が素敵。
化学の知識でサクサクと淡々と料理を進めるのも面白い。
物語の終盤は、エリザベスのパートナーで、もともとは孤児だった立場から科学者になったカルヴィンの足跡を辿る物語。
カルヴィンの才能に気づいて教育を受けさせてくれそうな里親候補がいたのにそれが阻まれたのも、直接的な描き方はしていないものの、施設側の虐待的な意図がありそうだよなあ…
弱い立場の人が権利を奪われる米国の（そして他の社会にもありそうな）問題を描きつつ、最終的にはエリザベスとカルヴィン、カルヴィンがエリザベスのために遺したものを描く愛の物語になっているところが良かった。
原作小説にも興味が湧いたので機会があったら読んでみたいな。
