今期はこのドラマが一番。明らかに統一協会、エホバの証人問題以後を意識して描かれた（と思ったら原作は2008年発行）、無職の元エリート社員が新興宗教をでっち上げる日本で珍しい悪漢コメディ。インチキ宗教ではあるけど、主人公が神や信仰を信じず、科学的知見から誠実に人を救おうとする姿を描くことで逆にいわゆるカルトを批評している。大学の新入生勧誘、宗教右派、政治家との癒着、洗脳、お布施、迷惑動画、いじめという犯罪、配信、新書。最初は家庭の医学を用いた地域のコミュニティに過ぎなかったのに、見城徹風の悪どい出版社社長が資本主義と政治を持ち込んで「事業」を拡大していく様がリアル。物事が上手く進み過ぎって思う人もいるけど、こんなことあり得ないから、あり得ないはずのにどこかありそうだから面白くて怖いんだ。大東俊介は勿論のこと青柳翔がずーっと上手かった。作演出の岸善幸はまたNHKドラマ撮ってね。
