Yui

おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!のYuiのレビュー・感想・評価

4.1
原田泰造が出ていたので観ただけだったのに、こんなに良いドラマだとは…!

簡単に言うと、古い価値観を持ったおっさんが、現代の価値観にアップデートして行くストーリーなんだけど、困難が多い中でも世界観が優しいのがとても良かったし、響くセリフも多くて、毎話観終わると心がポカポカするのが心地良かったなぁ~。

今時、この若さでこんな昭和みたいなお父さんいるのかよ…?と初めは思ったんだけど、お父さんが価値観のアップデートを通して、人の気持ちを一生懸命自分の中にきちんと落とし込んで理解したいという素直さに、ほっこりうるうる心が優しくなれた。

確かに今の時代、歳を重ねている人程アップデートが必要には違いないんだけど、お父さんの古い価値観のアップデートだけじゃなく、個人の価値観の視野を広げてくれる要素がたくさんあったのも良かったな。
タイトル回収の回はとても胸熱でした。

ポップな作品なので観やすいし、今時家族でテレビ観るのか分かんないけど、これなら家族で観やすいと思う。深夜枠なのもったいないねー。

古い価値観だから悪いんじゃないんだよね。
昭和が悪い、令和が良いとかじゃないし、アップデート出来ない事を棚に上げて昭和が良かったとか、令和はこうだからとかでもなくて。
自分の価値観が正義と思って他を受け入れない、否定する事が、思いやりを持てない、人の話を聞けない人間になって行って、自ずと時代に取り残されて行くんだと思う。
取り残されてしまう人は、悪くはないけど、悲しいよね。

人は人、自分は自分。
どっちもいいし、どっちでもいい。
まじ、おっさんのパンツがなんだっていい。

それは、切り離して切り捨てる価値観じゃなくて、まず私とあなたが違うって事を理解した上で、自分の価値観だけじゃなくて、相手の立場に立って物事を見て考える力なんだなぁと改めて感じた。

最終回、大地くんのお母さんの「私はあなたの選ぶ方にいる」ってセリフに泣かされたし、古池さんの「人は歳を取ると鈍感になるから自分になれない事が大切」って話はとても響いたなぁ。
大地くんのお父さんの件も、綺麗に終わらせないのが逆に良かった。

価値観だけじゃなくて、生まれた環境や生まれ持ったもの、変えられない事で壁にぶつかってる人の風よけにはなれないかもしれないけど、倒れそうな時に後ろから支えたり、転んだ時に手を差し伸べたり、傍にいるだけで力になるような存在に私もなりたい。


かと言って、アップデート必須!ってのを高年齢層の方に押し付けるのも少し違うかなぁと思っていて、自分の生きているテリトリーでそれでやってけてるなら良いとは思うんだよなぁ。それも自由というか。
ただ、社会で生きていくなら必須にはなってしまうよね。会社や公の場でだったら無理だし…。
高年齢層に限らずだけど、私はアップデートしません出来ませんって人は、あ、じゃあこちらもごめんなさいね~って、人が離れて行くと思うから、どこかで孤立してしまうんじゃないのかなぁというのも不安要素としてある。
価値観のアップデート関係なしにしても、否定的で自分の考え押し付けて来る人って、若くても人が離れてくもんなぁ。

少し話はズレるけど、先日、母と「うちの子、発達障害で~」って今の若い親御さんは普通に言ってくる、それもここ数年で価値観が変わって行った表れだよね~、良い事だよね~、って話になったんだけど、色んな事が変わって行ってる途中の今の時代が、私はとても面白いので、この流れが今後どこまで行ってどうなるのか、体感して、私もアップデートしながら生きて行きたいな~と思います。
Yui

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