あらすじにはヒューマンラブストーリーって書いてあって確かに恋愛中心ではあるんですが、人生の岐路というか30代前後の「この道で良いんだっけ」ってグラつく気持ちが丁寧に描かれていて、とても好きな作品でした。
「今のままじゃ不安だけど変わってしまうのも怖い」
都のこの気持ちが痛いほどに分かってしまう。親、結婚、仕事。どの道も正しさなんて分からなくて、正解なんてなくて、それでも少しでも自分が幸せになる道を選びたくて。
そんなぐるぐる巡る考えのことを「自転しながら公転してるんだ」って表現されたら、もうその時点でそのひとのこと少し好きになっちゃうな。貫一も、演じる藤原季節も、見るたび好きになって困っちゃう。
確かに「良いやつだけで人は食べていけない」のかもしれないけど、貫一のような憧れられるところを持っている「良いやつ」ってそんなに居ないんだよね。高校で身に付けられるような話でもないし、「良いやつ」の免許があるわけでもないし。
自分の選んだ道を肯定しながら進むしかないんでしょうね。わたしもまだまだ自転しながら公転してる。