この頃はまだ野木亜紀子を知らなかった。
ガッキーが白髪の探偵の話が、「1日1日を精一杯生きること」をテーマに、こんなにPOPで、ハートフルなドラマだと思わなかった。
1話から最終話まで全部が愛おしかった。
新垣結衣は、その抜群の可愛さで、彼女の我が儘でさえ全く嫌な気にならない掟上今日子を作りあげているし、彼女の(不運な)ワトソンとなる隠館厄介も、岡田将生本人が持つ無害なピュアさが、下心があるのに品を失わない片思いがどこまでも可愛らしい。
及川光博など脇役、喫茶サンドグラスのセット、文字や画像のアニメーション、全部がこの世界観を守るために工夫されている。
"あなたが忘れてしまっても、関わった人みんながあなたのことを永遠に覚えている。"
それは記憶喪失でなくても、みんなに言えること。
瞬く間に過ぎる日々の中で、私たちは日々色んなことを忘れていくのだけど、
それを、現代社会の悲しさでさえも、肯定できるような気がする。