台風が近づく、夜の鷺洲（ルージョウ）空港。雨雲の隙間を縫って、見事着陸を成功させた程霄（チョン・シアオ）は上機嫌だった。何しろ今日は誕生日だし、機長昇格の条件である2700時間の飛行をついに達成したのだ。鷺洲航空初の女性機長という栄誉に、間もなく手が届く――。しかし、そんな楽しい気分も長続きはしなかった。空港で飛行部副部長の顧南亭（グー・ナンティン）と鉢合わせし…。

貨物部のパイロットたちは、廃部により旅客部門である飛行部へと異動が決まった。しかし、その社内方針に対して難色を示す人物が――。受け入れ先である飛行部の部長・江韜（ジアン・タオ）である。会社のイメージに悪影響を与えると、徐策（シュー・ツォー）社長に抗議する彼は、さらに女性パイロットの存在に異を唱え始め、程霄（チョン・シアオ）は他社に推薦して追い出すべきだと提言をし…。

夏至（シア・ジー）は客室乗務員になるため、鷺洲（ルージョウ）航空の採用面接に臨んでいた。自己紹介のツカミで冗談を言ってスベったり、他の応募者が思わず驚きの表情を浮かべるような受け答えをする彼女は、明らかに異色の存在。面接終了後、面接官の間では「乗務員らしさが全くない」という意見が出る一方、親近感はあり、打たれ強そうという意外な評価も。果たして夏至の運命は…。

オーストラリアの飛行学院で訓練に励む程霄（チョン・シアオ）。学内のカフェで憩いのひと時を過ごしていると、顧南亭（グー・ナンティン）をライバル視するケインの生徒２人からヤジを飛ばされる。初めは受け流していた程霄も、エスカレートする悪口に堪忍袋の緒が切れて、彼らのテーブルをひっくり返してしまう。逆に怒り出し謝罪もしない２人に、程霄はシミュレーター対決を申し込み…。

帰国を明日に控え、オーストラリアでの全ての訓練を終えた程霄（チョン・シアオ）たち。しかし、彼女たちには重要なイベント――カンタス航空とのシミュレーター対決――が残されていた。自分たちのエースの勝利を信じ、シミュレーター前に集まる両航空会社の面々。そして対決開始直前、ケインが見守る会場の別室には、この一件を知らされていなかった顧南亭（グー・ナンティン）が呼び出され…。

退職願を提出しようとする程霄（チョン・シアオ）を、謝澤天（シエ・ゾーティエン）が呼び止めた。観察官降格を受け入れることを提案する彼に、処分内容よりも担当教官である顧南亭（グー・ナンティン）への不信感が大きいと主張する程霄。しかし、意外な事実を告げられた程霄は困惑することに。なんと、連帯責任だと申し出た南亭は、彼のキャリアにおいて初めて処分を受けたというのだ…。

程霄（チョン・シアオ）に問い詰められ、乗客は李語珩（リー・ユーハン）へのセクハラを認めた。出来心だったという言葉を信じ、彼を許す語珩。謝罪が受け入れられたと見るや、男は喜び、逃げるように席へと戻るのだった。しかし、その際に男がつぶやいたセリフを程霄は聞き逃さなかった。「今回はツイてなかった」――常習性を匂わせる男の発言に、程霄は独断で警察への通報を決めるが…。

三亜（サンヤー）で新年を迎えた程霄（チョン・シアオ）と顧南亭（グー・ナンティン）。今回のフライトはトラブルに見舞われ、欠航や日程変更を余儀なくされたが、困難を乗り越えた今、それぞれ家族と電話をかけながら、穏やかな夜を過ごしていた。翌朝、ビーチ遊びに興じるクルーと離れ、李語珩（リー・ユーハン）と食事をとる南亭。しかし、海で泳ぐ程霄を目にした彼は、血相を変えて走り出し…。

地上勤務を命じられた程霄（チョン・シアオ）は、喬正宇（チアオ・ジョンユー）の指導のもと、グランドスタッフとして働き始めた。全運行スケジュールの暗記を求められたり、遅れそうな乗客と駆け回ったり、想像以上の激務に面食らう程霄。体力には自信がある彼女も、慣れない仕事の連続に疲労の色は隠せないのだった。１週間が経った頃、乗り継ぎの案内をしていた程霄は、思わぬ人物と遭遇し…。

空港内の警察派出所を訪れた顧南亭（グー・ナンティン）。客から水をかけられ、事情聴取のため警官に連れていかれた程霄（チョン・シアオ）を案じた彼だったが、程霄は既に解放された後。電話はつながらず、人事名簿にも住所の記載がないため、連絡の取りようがない南亭は心配を募らせるのだった。一方、１人で海を眺めていて雨に降られた程霄は、看板にプロペラ機を掲げたバーへとたどり着く…。

グランドスタッフとして乗客の老夫婦と接したことで、確執のある母親との関わり方を考え直した程霄（チョン・シアオ）。夕方、仕事を終えた彼女の心は踊っていた。父に電話をかけ、家族３人での夕食を取り付けた程霄には、母との和解の瞬間を前に、早くも晴れやかな気持ちが訪れていたのだ。そんな矢先、彼女に不動産会社から電話が。何でも、彼女の母親が程霄の買った家を売りに出したという…。

月例会に参加していた程霄（チョン・シアオ）は、顧南亭（グー・ナンティン）とともに会を進行する宋宋（ソン・ソン）の異変に気がついた。終了後、浮かない表情の宋宋を問い詰めると、恋人の誕生日を資料作成ですっぽかし、フラれたのだと告白。大事な後輩のため、残業を強いた南亭のもとに乗り込んだ程霄は、「無感情のロボット」と非難するのだった。その夜、反省した南亭は宋宋を呼び出し…。

乱気流を抜け、難を乗り越えた程霄（チョン・シアオ）と顧南亭（グー・ナンティン）の間に更なる緊張が走った。コックピットのドアを何度もたたく音に、ハイジャックという最悪の事態が頭をよぎる。しかし、ドアの上に備えつけられた監視カメラを確認すると、そこには少年の姿が。急いでＣＡを呼んで、その子を席に戻し、一件落着と安堵する２人だったが、実は少年の母親は極度の飛行機恐怖症で…。

重要フライトの副操縦士に選ばれ、程霄（チョン・シアオ）は喜んだ。顧南亭（グー・ナンティン）とのコンビと思いきや、機長は自分をグランド勤務に追いやった江韜（ジアン・タオ）。意外な組み合わせに不満そうな彼女も、社長のご指名とあれば、不平も言えないのだった。フライト当日は私情を挟まず、無事に任務をこなした程霄。しかし、この時の彼女はまだ復路で起こる大事件を知るはずもなく…。

鷺洲8252便は入念な点検の結果、火災の恐れがないことが判明した。衝突の回避により貨物室の崩れた荷物から粉薬が漏れ、煙探知機が誤作動を起こしたとのこと。滑走路上の警戒態勢は解かれ、各部の撤収が始まる中、対応に当たっていた整備部の倪湛（ニー・ジャン）は現場保存作業を急ぐのだった。一方、ひじかけに後頭部を打ちつけて意識を失い、救急搬送中の程霄（チョン・シアオ）の容体は…。

機体の衝突という大惨事を免れて数日後、関係者たちの心のざわめきは、いまだ収まらないでいた。機長の江韜（ジアン・タオ）は調査会を前に、シミュレーターで方向転換しなかった場合の事故検証を進め、夏至（シア・ジー）は緊急脱出時の自身のミスを会社に報告することに。そして、程霄（チョン・シアオ）を助けるため規定違反を犯した顧南亭（グー・ナンティン）は、当時の心境を振り返り…。

李語珩（リー・ユーハン）が帰宅すると、スマホに向かってタニシ麺の魅力を熱弁する夏至（シア・ジー）の姿が。ＣＡを続けることを諦め、ライブ配信で稼ぐと言う夏至に、語珩も呆れ顔だ。それでも謹慎処分となり自信喪失気味の友人を思い、彼女の魅力を説く語珩。すると夏至も観察期間明けまでは少なくとも努力することを誓うのだった。その時、宋宋（ソン・ソン）が慌てて駆け込んできて…。

ついにお互いが大家と入居者の関係だと知った顧南亭（グー・ナンティン）と程霄（チョン・シアオ）。電気の修理を終え南亭が帰ったあとも、程霄は向かいの棟の彼の部屋を眺め、思いを馳せていた。一方、寝ようとした南亭も「私のこと、どう思う？」という彼女の言葉が頭から離れず、筋トレで雑念を払うのだった。そして、やってきた二度目の調査会。炎上騒動の影響を受ける程霄の運命は…。

フライトへと向かう途中で宋宋（ソン・ソン）に呼び止められた程霄（チョン・シアオ）は、恋愛相談に乗ることに。李語珩（リー・ユーハン）への思いを打ち明けた宋宋の気がかりは、彼女の意中の人・顧南亭（グー・ナンティン）の存在だった。自身の南亭への好意を明かし、積極的に語珩へアプローチをするようエールを送る程霄。急いで乗務へと向かった彼女を待ち受けていたのは思わぬ再会だった…。

プレゼン番組の収録前日、顧南亭（グー・ナンティン）から使用する資料を見せられた程霄（チョン・シアオ）は、その難解な内容に思わず目を疑った。視聴者から共感を得るため柔軟な内容にすることを勧める程霄に対し、飛行の話題は厳密に伝えるべきだと譲ろうとしない南亭。互いの主張は平行線のまま解散することとなったが、程霄は宋宋（ソン・ソン）との雑談から解決のヒントを得る…。

来年度の女性パイロット募集決定を勝ち取り、打ち上げに繰り出した程霄（チョン・シアオ）と顧南亭（グー・ナンティン）。高級店だと聞いていた南亭は、屋台広場に連れてこられ驚くが、若手の頃に通った思い出の店に程霄はうれしそう。その後も始終、彼女に主導権を握られつつ、南亭も今日だけは特別に酒を飲み、２人だけの宴を楽しむのだった。お開きとなり、そろって帰宅すると、そこには…。

フライト前の顧南亭（グー・ナンティン）は妙な居心地の悪さを感じていた。廊下でひそひそと話す同僚たち、挨拶のあとに失望した表情を浮かべる祁玉（チー・ユー）、イヤホンをしてスマホで普段は見ていないトーク番組に爆笑する程霄（チョン・シアオ）。結局、その理由に気づくことなくフライトを終えた南亭だったが、李語珩（リー・ユーハン）がＳＮＳにアップした写真が原因だと知り…。

洪水被害に遭った蘭山（ランシャン）県へ災害支援に向かった鷺洲航空の一行。現地に到着すると、顧南亭（グー・ナンティン）のチームは、会社の支援で建設された小学校のある王家坪（ワンジアピン）へと車で進んでゆく。災害の影響もあり、道路の状況も悪く、途中の宿泊施設で１泊。その晩、南亭は、長年の付き合いである倪湛（ニー・ジャン）から、これまで内に秘めていた過去を明かされる…。

早朝、目を覚ました顧南亭（グー・ナンティン）の掌には、まだ程霄（チョン・シアオ）の手が握られていた。前日の子供の救出活動で程霄に命の危険が迫ってから、急速に心の距離を縮めた２人。同僚たちと雑魚寝する教室で大胆にもこっそりとつながれた手を、南亭は静かにほどくと、程霄の髪に触れようと運んだ手を止め、朝ごはんの支度へと出ていくのであった。そんな彼の様子を目撃していた人物が…。

機長候補となった程霄（チョン・シアオ）の左席デビューの当日。周りが祝福モードの中、肝心の程霄は浮かない表情だ。というのも、顧南亭（グー・ナンティン）から愛の告白を断られて以来、関係はギクシャクしっぱなし。記念のフライトであっても、彼とコンビを組む乗務を、平常心でこなすのには無理があった。そんな不安要素を抱えた香港便で、祁玉（チー・ユー）が乗客トラブルを起こす…。

程霄（チョン・シアオ）を陥れたのは誰か。犯人の特定が進まないことに不満な夏至（シア・ジー）と李語珩（リー・ユーハン）は食堂で独自に推理を始めた。関係者では、顧南亭（グー・ナンティン）に好意を寄せていた祁玉（チー・ユー）が最も怪しい――などと証拠もなしに放言していたところに現れたのは、噂の祁玉。彼女は乗客トラブルを起こした際に巻き込まれた２人に、素直に謝罪し…。

王凡（ワン・ファン）の病室を出て、会計窓口に向かった程霄（チョン・シアオ）。彼の入院費を肩代わりしようと考えた彼女だったが、そこには同様のことを考え、先に病室を出た顧南亭（グー・ナンティン）の姿が。しかし、その南亭も未払いの請求はないと窓口で断られており、２人は既に倪湛（ニー・ジャン）によって支払い済みであることを知るのだった。何かできることはないかと考えた南亭は…。

江韜（ジアン・タオ）に呼び出され、程霄（チョン・シアオ）は会食の場に顔を出した。到着するなり彼女を隣の席に座らせたのは、外部取締役の孫（スン）だ。程霄を気に入った孫は、彼女のことを褒めちぎるが、「女の子」という言葉が飛び出すと、程霄は怪訝な表情を浮かべるのだった。会食終了後、店から出てきた程霄の前に現れた顧南亭（グー・ナンティン）は、彼女の肩に触れる孫を突き飛ばし…。

入院した母に会うため地元へ帰る前に、大量の土産を買い込んだ程霄（チョン・シアオ）。物で和解に持ち込もうとする娘に父親も呆れつつ、２人でタクシーの到着を待っているところに１台の車が。中から降りてきたのは倪湛（ニー・ジャン）。彼の厚意に甘え、家まで送ってもらった２人だったが、倪湛の人柄を気に入った程霄の父からは、帰郷も面会もやめてしまおうと、まさかの提案が…。

急病人が発生し、緊急着陸の判断を迫られた機長の江韜（ジアン・タオ）は、フライトの続行を決断した。既に天候不良で一度緊急着陸をしているシンガポール路線の就航便――これ以上の遅れは許されない条件下で、病人の意識が回復したこともあり、周囲の反対を押し切って、目的地へと急ぐのだった。こうして２時間後、機体は空港に到着。安心したのも束の間、座席の乗客は息をしておらず…。

程霄（チョン・シアオ）の説得に失敗し、頭を抱える江韜（ジアン・タオ）。違法性はなかったとはいえ、シゴーンへ緊急着陸しなかったことが調査会で問題視されれば、副社長の選出にも影響を及ぼす。何としても程霄の口を封じたい江韜は長考の末、シゴーン行きのチケットを予約するのだった。そして調査会当日。正直に当時の状況を語っていた程霄だったが、全く覚えのない交信音声を聞かされ…。

鷺洲航空を訴える郭偉民（グオ・ウェイミン）のために弁護士を探していた程霄（チョン・シアオ）は、李語珩（リー・ユーハン）から人権派弁護士を紹介される。苦しむ遺族へようやく責任が果たせると喜ぶ程霄。しかし実際は、暴走ぎみな彼女を案じた顧南亭（グー・ナンティン）が密かに弁護士を手配していたのだ。裏事情を知る由もなく素直に喜ぶ程霄だったが、証言台に立つよう頼まれてしまい…。

顧南亭（グー・ナンティン）がバーに到着すると、程霄（チョン・シアオ）は既に酔っていた。飛行停止処分を受け、自暴自棄になった彼女は、南亭の制止も聞かず飲み続けようとする。しかし、普段は酒を口にしない南亭が付き合うと申し出ると、そんな程霄も手を止めざるを得ないのだった。その後、程霄を送り届けた南亭は劉（リウ）弁護士を呼び出すと、証言者の説得にフランクフルトへ向かうと宣言し…。

引退式の壇上に謝澤天（シエ・ゾーティエン）が現れた。後輩たちが見守る中、過去に起きた緊急着陸事故の体験談から、安全性の重要さを切々と説く澤天。さらに、「継承式を行いたい」と申し出ると、その日一緒に乗務した宋宋（ソン・ソン）らに加え、程霄（チョン・シアオ）も登壇させ、事故機の機体で作った手荷物タグを託すのだった。一方、パナマで人探しをする顧南亭（グー・ナンティン）は…。

証言台に立つ林一成（リン・イーチョン）の発言は、法廷内の空気を変えた。先ほど流れた交信音声を現場で聞いていないという証言は、すなわち義兄である江韜（ジアン・タオ）によって音声が改竄されたと認めることである。ここに来て男を見せた一成に、遺族側の劉（リウ）弁護士は喜ぶものの、鷺洲航空側の弁護士である方京雲（ファン･ジンユン）は諦めることなく、すかさず気弱な一成を質問攻めにし…。

病院から帰ろうとする顧南亭（グー・ナンティン）と程霄（チョン・シアオ）のスマホにメッセージが届いた。送り主は同一人物。「時間があったら会えるか？」という文面に従い、海沿いの広場へ向かうと、そこには江韜（ジアン・タオ）の姿が。パイロットの資格を剥奪された今、小さな空港があったこの地で操縦士人生を振り返る彼は、ＵＳＢメモリを南亭に手渡すと、２人にエールを送り帰っていく…。

「連れていきたい場所がある」――そう告げた顧南亭（グー・ナンティン）に連れられ、たどり着いたのは彼の自宅。初めて入る南亭の部屋に浮かれつつ、いざなわれるまま奥の部屋へと向かった程霄（チョン・シアオ）が見たのは、真新しいベッドと羅憶（ルオ・イー）の写真だった。亡くなったかつての恋人が暮らすはずだった部屋で、「私の全てを知ってほしい」と、南亭は程霄に思いを伝えるが…。

帰宅した宋宋（ソン・ソン）は、夏至（シア・ジー）から手作りのスープを振る舞われた。普段料理をしない彼女の甘すぎるスープに目を白黒させる宋宋を、さらに動揺させる事態が。その日、乗務中に機体故障を経験した夏至は「無事着陸できたなら宋宋を彼氏にしてもいい」と思ったと逆告白。１組のカップルが誕生したその頃、家に着いた程霄（チョン・シアオ）は玄関の前に大量の花を見つけ…。

国産旅客機の初フライトを来週に控え、搭乗予定の顧南亭（グー・ナンティン）と程霄（チョン・シアオ）は実機訓練に臨んでいた。着陸態勢に入ったところで、機長の南亭がモニターの表示に異常を発見。軽微な問題なので難なく着陸し、今後の対応を冷静に相談しようとする程霄だったが、南亭は口数少なく、表情も曇ったままだ。というのも、本当の異常は、パイロットの命とも言うべき彼の目にあり…。