伏龍（ふくりゅう）国の若き妖師･祁暁軒（チー･シャオシュエン）は、陸地を守る法陣に必要な宝玉･赤珠を探す任務に出る。無事に赤珠を手に入れた祁暁軒だったが、入雲村の若者･虎子（フーズー）がそれを奪い去る。虎子が持ち帰った赤珠は、村に恐ろしい災厄をもたらし…。

村を襲った妖怪･血咀妖（けっしょよう）に追い詰められ、とっさに赤珠を飲み込んだ虎子。異様なまでの強さを発揮し血咀妖を倒した虎子だったが、村からは追い出されてしまう。虎子の体から赤珠を取り出すため、一行は八宝鎮（はっぽうちん）へと向かう。

幻宝妖師として名高い一眉仙子（イーメイせんし）に宝具をもらうため、虎子は八宝鎮の地下闘場での試合に臨む。宝具の精･爺（じじ）殿との修行の成果を発揮して強敵に勝利する虎子だったが、入雲村で共闘した槍使い･趙馨彤（ジャオ･シントン）が対戦を願い出て…。

虎子の体内から赤珠を取り出してもらうため、一眉仙子の屋敷を訪ねた祁暁軒たち。しかしそこには傷を負って倒れた一眉仙子の姿が。10年前に趙馨彤の母を殺した強力な妖怪･黒風（ヘイフォン）が再び八宝鎮に現れたのだった。

趙馨彤の父･趙昊天（ジャオ･ハオティエン）は配下を率いて黒風と戦うが、その妖力に圧倒されてしまう。祁暁軒と虎子も必死に応戦するが、不意打ちの攻撃に遭って追い詰められる。そこに趙馨彤が現れ、亡き母の無念を晴らすべく先祖伝来の技を放つ。

赤珠護送の遅れを姉･祁嫣然（チー･イエンラン）に責められた祁暁軒。祁嫣然は妖尾が生えた虎子を殺そうとするが、祁暁軒がそれを制止する。一行はそれぞれの目的のため伏龍国の都へ向かうことに。都では国御妖師の試験が行われようとしていた。

煉瓦で人を癒やす“神医”こと王羽千（ワン･ユーチエン）と親しくなった虎子たち。祁暁軒に案内され、一行は国御妖師を目指す者のための宿に向かう。しかし到着早々、元老会長老の息子･成済年（チョン･ジーニエン）と険悪な状況になり…。

任務失敗の責任を問われ投獄されていた祁暁軒を、祖母･蒋錫慈（ジアン･シーツー）が助け出す。そんな中、国御試験の受験者の１人が姿を消す。祁暁軒は相次ぐ妖師失踪事件について調べるため、鬼市（きし）と呼ばれる場所にある妓楼･万春閣を訪ねる。

失踪した国御試験の受験者が遺体で見つかり、妖尾を持つ虎子に殺害の嫌疑がかかる。祁暁軒の父･祁子鷺（チー･ズールー）は、３日以内に事件を解決しなければ祁暁軒の職務を解き、虎子は投獄、更に仲間の受験資格を剥奪すると宣言する。

事件解決の期限が迫る中、実行犯の妖怪･駁妖（はくよう）と交戦した趙馨彤がその左腕に傷を負わせる。万春閣の妓女･牡丹（ムーダン）の情報に基づき、祁暁軒たちは駁妖が国御妖師の中に潜んでいると考え、全ての国御妖師を調べようとするが…。

焚妖塔の妖師･張（ジャン）こそ駁妖だと訴える虎子たち。しかし張は巧みに疑いを晴らし、虎子と祁暁軒は投獄されてしまう。牡丹の巧みな策により駁妖の正体は暴かれるが、追い詰められた駁妖は逃走。追いかけた祁暁軒と死闘になり…。

焚妖塔から消えた妖怪たちの行方を探るため、鬼市を訪れる祁暁軒。一方、国御妖師を目指す虎子たちは百花山での第一試験に向けて修練に励む。一眉仙子から授けられた宝具･金剛橛は扱いが難しく、虎子は四苦八苦する。

第一試験突破のため協力して妖珠（ようじゅ）を集めた虎子たち。しかし突如、巨大な蜂妖（ほうよう）が現れる。虎子は蜂妖を倒すが、妖尾の生えた虎子の姿を見て他の受験者たちは動揺する。やがて４陣営に分かれて令牌を奪い合う最終試験が始まり…。

最終試験で祁暁軒に刺され重傷を負った虎子。祁暁軒の体にはもともと乾（チエン）と炎（イエン）という２つの人格が宿っており、これまで封印されていた炎が祁暁軒の体を乗っとったのだった。事情を知らない虎子は祁暁軒の変化に戸惑う。

妖師の宿を追い出された虎子たちは、仕方なく郊外の空き家へ引っ越すことに。自分の生い立ちに悩む虎子は、意を決して趙馨彤と王羽千に真実を告白する。一方、街では妖師が錯乱して仲間や民を襲う事件が続発していた。

虎子たちが暮らす郊外の家に、国御妖師となった仲間たちが訪ねてくる。彼らから祁暁軒の近況を聞き、心配になる虎子たち。一方、祁暁軒は事件の捜査が手詰まりになる中、父の師でもある妖師界の重鎮･支邪（ジー･シエ）を調べることに。

妖怪脱走の責任を問われ、祁子鷺は配下を率いて皇帝の安全を守るよう命じられる。街の守りが手薄になる中、祁暁軒は何としても民を守るよう蒋錫慈から指示を受ける。そんな時、一眉仙子は祁嫣然にある取り引きを持ちかける。

祁暁軒らに正体を知られた支邪は閻羅殿を破壊して姿を消す。虎子は一眉仙子の陰謀のために自分が利用されていたことを知り、金剛橛を体内から取り出そうとするも失敗。蒋錫慈は一眉仙子を強力な法陣の中に閉じ込めるが…。

祁暁軒の魂鏡（こんきょう）を取り戻すため一眉仙子のもとへやってきた蒋錫慈。しかし戦いの中で崖下に落ちてしまう。一方、虎子たちは倒壊した閻羅殿で虎の爪痕らしきものを見つける。その頃、街では無数の妖怪が人々に襲いかかっていた。

虎子は祁暁軒の体を奪った炎に胸を刺されてしまう。絶体絶命のその時、虎子は活性化に成功した金剛橛で炎に反撃。そこに一眉仙子が現れ、金剛橛を奪って虎子を攻撃する。虎子が地面にたたきつけられる寸前、白い虎が現れ…。

元老会は獄中の虎子をひそかに始末しようと刺客を送る。趙馨彤と王羽千は仲間の妖師たちと協力して虎子を釈放させることに成功。外に出た虎子は炎の言葉を手がかりに黒水（こくすい）池へと向かう。そこには奇妙な木の人形があり…。

一眉仙子たちの行き先である巓峰谷（てんほうこく）へ向かう方法を探す趙馨彤たち。冥海（めいかい）を越えて巓峰谷へ行くには、金剛橛を再び活性化する必要があった。一方、肉体を失った祁暁軒は思うように動かない木偶の体にもどかしさを募らせていた。

爺殿の助けにより元の姿を取り戻した祁暁軒。しかし49日以内に真の肉体を取り戻さなければ元神は消滅してしまうという。趙馨彤は禁術による治療で若返った蒋錫慈から、妖師を統べる大師帥に就任するよう打診される。

金剛橛を活性化するため、虎子たちは王羽千の父が王位に就く千羽国へ向かうことに。しかし国境には見張りの兵もおらず、異変を感じた一行は王宮へと急ぐ。しかし城門で王羽千が王子だと名乗っても門番に信じてもらえず…。

千羽国の王宮を騒がせていた妖怪･窃脂（せっし）を捕らえることに成功した虎子たち。一件落着かと思いきや、王羽千の父である国王が恐ろしい病に侵されていることが分かる。王羽千は何とかして父を救おうとするが…。

国を繁栄に導くとされる啓霊神を降臨させるため、千羽国の重臣である国師は王羽千を祭祀の生贄にしようとする。虎子たちは牢獄から脱出して王羽千の救出に向かうが、国師は祭祀を強行。雷神柱に拘束された王羽千に雷が落ち…。

巨輪（きょりん）国の者たちにさらわれた趙馨彤は、首領の妻になるよう迫られる。虎子たちは夜陰に乗じて助けに向かうが返り討ちにされ、王羽千まで人質になってしまう。巨輪国の苦しい事情を聞いた趙馨彤は、首領にある提案をする。

冥海を渡って巓峰谷へ向かうため、巨輪国の首領たちは従来の乗り物を改良して“乗黄号”を完成させる。しかし王羽千の護衛･霄雲子（シャオ･ユンズー）と巨輪国の副首領は互いに敵意を燃やし、対立は深まるばかり。いよいよ出発の日が迫り…。

ついに巓峰谷にたどり着いた祁暁軒たち。手分けして辺りの様子を探ろうとするが、危険な流砂や奇妙な地形に翻弄される。妖怪との戦いの中で洞窟に落ちた虎子と趙馨彤は、500年前の英雄である趙家の先祖･趙翎燕（ジャオ･リンイエン）と出会う。

先祖の教えで秘技を会得した趙馨彤は、虎子と共に洞窟から脱出する。衰弱した趙馨彤を背負って歩きながら、虎子は自身の想いを告げる。その後、祁暁軒たちに救助された２人だったが、一眉の操る山茶の花が妖師たちに迫り…。

山茶法陣を破って一眉を追い詰めた祁暁軒たち。しかし虎子の母･白虎（バイフー）が現れ、一眉と共に逃げていく。母の行動に困惑する虎子。その後、奇妙な声を聞いた一行が洞窟に入ると、そこには祁暁軒の祖先･祁無極（チー･ウージー）を名乗る男がいた。

妖師たちを扇動して白虎を捕らえた祁無極は、祁暁軒たちの制止にも耳を貸さず檻に火を放つ。目の前で母を失った虎子は悲しみに暮れるが、仲間たちの優しさにより気力を取り戻す。そんな中、祁暁軒は監禁された炎を見つける。

邪悪な正体を明らかにした祁無極は、妖怪から人間に戻るため祁暁軒の心臓を奪おうとする。命の瀬戸際で、炎は兄としての決断を下す。一眉は洞窟での激戦から逃れ、500年間の悲願であった亡き主･夜箜鳴（イエ･コンミン）との再会を果たす。

共闘して一眉を倒した祁嫣然と蒋錫慈。禁術で若い頃の姿になっていた蒋錫慈は、孫娘である祁嫣然に自身の正体を告げるが、残された時間は少なく…。一方、虎子の前には祁無極に殺されたはずの母･白虎が人間の姿で現れる。

500年前の真実を知った虎子たちは、冥海の源を消滅させるため、祁無極から金剛橛を取り戻そうとする。しかし祁無極の力は強大で、仲間が次々と犠牲になっていく。虎子と祁暁軒は神に託された力を使い決死の戦いに挑む。

祁無極に成り代わっていた双子の弟･祁無双（チー･ウーシュアン）の悲しい過去を追体験した祁暁軒たち。過去の世界にさかのぼり兄と再び対話したことで、祁無双の憎しみは浄化される。祁暁軒と虎子は最後の使命を果たすべく、冥海の源へと向かう。