なかずかい

超星艦隊セイザーXのなかずかいのレビュー・感想・評価

超星艦隊セイザーX(2005年製作のドラマ)
5.0
2005年放送の東宝制作の特撮ドラマシリーズ超星神シリーズの3作目である。放送当時、前作『ジャスティライザー』から引き続き視聴していた。
今俺は留年して彼女に振られ体調崩してボロボロな状態なのだが、布団の中で寝込みながらこれを見返して子供の頃にこんな素晴らしいものを観ていたのになぜ今の俺はこんなになってしまったのだと悲しい気持ちになった。俺が悪いだけの話だが。

俺が生涯でハマった特撮ドラマとなると初代ウルトラマンとウルトラマンネクサス、それにこれ、となるレベルで好きな作品。

川北紘一が特技監督を務めることもあり圧巻の特撮が魅力なのは勿論、重い話をしながらもホームコメディ調を全編通して絶対に崩さないこと、魅力的なキャラクター達、素晴らしいロボデザインに造形と全方面に力が入っている。そして子供にしっかりと響く情操教育的な要素もふんだんに入っているのも魅力。
そしてヒロインのレミーは俺の初恋も同然である。生身ながら前線に出て闘う力強さを持ち、馬鹿な主人公拓人に苦労しながらもしっかりと支えるしっかり者ながら、自身の出自に悩みシャークに父親以上の畏敬の念を抱える儚さも兼ね備えた最強のヒロインである。あと顔と西川伸司デザインのコスチュームが非常に可愛い。

川北紘一特技監督のみならず、ニュージェネレーションウルトラマンに参加している市野龍一監督の参加がされていたりと今から見ても面白い要素も多い。
敵の外部と内部の同時攻撃という等身大ヒーロー✕巨大ロボット作品ならではのラスボスの倒し方であるが、川北逆光の演出が見事にハマっているのも見事であった。

コアブレイバーのデザインがとにかく良い。合体前の繋ぎロボットがこんなカッコいいことがあるか。子供だった当時、一番好きな回がトリプル・コアブレイバーの回(32話)だったが、今見てもやっぱり良かった。月面での重力の無さや真空状態が特撮でしっかり再現されていると思う。どうも霧吹で空気中の埃を落として真空状態を再現していたらしい。
22話も良かった。マグナビートで行動不能となり分離してコアブレイバー状態でアドルイーグルの上に乗って突撃するイレギュラー展開もイカす。
昔クリスマスでグレートライオの玩具を貰って遊んでいたが、コアブレイバーもプロポーションは若干微妙なんだけど可動がかなり良かった記憶。終盤でコアブレイバーが3機となってからはライトキャリアー上部のコアキャリバーの色も最初からオレンジ色になっていたのが芸細だと思う。玩具に近い状態になるからそういう配慮がされていたんじゃなかろうか。

3部構成になっているストーリーも見事。2部にて安藤家のポチとなった火将軍ブレアードが色々なことを学び拓人を諭すことになる展開や、ジャッカルに付いてシャークとジャッカルのすれ違いを間近で見て、自分は違う道を往くとサイクリードを連れ戻す決心をする展開が実に見事。
3部でドリルアングラーを引っ提げて味方入りするブレアードの存在は最早この作品の面白さの象徴である。

あと俺が将来は縁側のある家に住みたいと思っている潜在意識の大本は多分これなのかもしれない。
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