なかずかい

超力戦隊オーレンジャーのなかずかいのレビュー・感想・評価

超力戦隊オーレンジャー(1995年製作のドラマ)
3.5
サンダーウィング緊急発進、とEDで歌われていたがサンダーウィングってなんだ?と調べると序盤だけで登場していたU.A.O.H.の戦闘機であった。なんか序盤しか出なかったの勿体ないよな。名前覚えてないし。というか空軍という設定に反して空戦力これだけだったな。
というかジャイアントローラーにタックルボーイと謎にタイヤメカのが多い。

前年の『カクレンジャー』に引き続きYoTube公式配信にて視聴。正直ほとんど中身を知らない戦隊だった。知ってた知識、『ゴーカイジャー』のせいで追加戦士にキングレンジャーという顔に漢字が書いてある戦士がいることにさとう珠緒がピンクだとか『すごい科学で守ります!』のせいで舞台が1999年であることくらい。
そんな本作を視聴して思うに魅力はロボの多さデザインの良さ。『ジェットマン』以来の公権力戦隊ということでロボがメカ系なのも嬉しい。空軍のメカのくせに空は飛ばないけど、登場ロボがオーレンジャーロボ、レッドパンチャー、オーブロッカー、タックルボーイと多い。オーレンジャーロボのコクピットの異常な狭さは気になるけれど、席替え&ヘッドパーツ交換で各メンバーの特徴を活かせるというギミックは凄く良い。実質レッドの専用機であるレッドパンチャーというロマン。幾何学模様モチーフで綺麗に纏まっているオーブロッカー。まあタックルボーイはテトラボーイ系の自律アシスト小型ロボだけど。おまけにキングピラミッダーという追加戦士の駆る巨大ピラミッドも登場し他ロボと合体することで超巨大ロボ(基本必殺ビーム撃つ専用)となる。全部デザインが良くてカッコいい。ロボ好きとしてはこの上ない魅力であった。

なんだけど、なんだかパッとしないのが本作。主要5人のキャラクターがなんかパッとしないんだよな。終盤までレッドの隊長が画面に映っても一瞬誰だっけ、となってしまう。全員顔は別系統なのに男性陣は特にこいつは何色だっけ、と考える時間が必要。第1話でイエロー樹里がピンク桃に「ピーピーうっさいわね!」と言ってた辺りはなかなかインパクトあるキャラクター達だと思ったもんであったけど。
まあ軍属のキャラクター達が日常回もこなすべく近所の子ども達とやたら交流してるのはなんかチグハグ感あったり。
キャラクターといえば良かったのは三浦参謀長。宮内洋演ずる参謀長は渋さもあって非常にカッコいい。
追加戦士はキングレンジャーのリキ。子供が変身するのも今見るとちょっと驚くけれど、こいつが全然出てこない一緒に行動しない。『ゴーカイジャー』での変身音声は「オーレンジャー!」じゃなくて独自の「キングレンジャー!」だった方がいいレベル。
ニンジャマン枠のガンマジンも登場。凄く変なやつ。なんかガンマジンと異文化交流を果たした作品だったかのような最終回の幕引きもなんか変。

でも曲に合わせて各キャラクターが持ち味のアクションするEDは凄く良かったと思う。特に初期のサンダーウィング発進しないバージョンは音楽とハマっていて良かった。桃が軽やかに舞うシーン、このキャラクターはあんまパワーは強そうじゃないけど中に芯がある強い子なんですよあと可愛い、という印象を持たせることにしっかり成功している。
つくづく楽曲が良かった作品でもある。次回予告のBGMいいな!と思っていたらすぐに変更されていたが、この良かったBGMというのが超名挿入曲虹色クリスタルスカイのインストゥルメンタル版であった。

序盤のやたらとハード志向の作劇はめちゃくちゃ良かったけれど、なんだかんだ中盤以降も良いエピソードも多かった。井上敏樹回は見るからにそんなエピソードが多かったし、上原正三脚本回も程よくほっこりするような回が目立った。
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