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HANNIBAL/ハンニバルのmiumiuのレビュー・感想・評価

HANNIBAL/ハンニバル(2013年製作のドラマ)
4.5
マッツ・ミケルセンの出演作を追いかけて鑑賞。

ハンニバル・レクターシリーズのドラマ化作品。
原作小説は未読、映像化作品で視聴済みなのは『羊たちの沈黙』のみ。

言わずと知れたマッツ・ミケルセンの大出世作で人気を不動のものにした作品。
私は『ハンニバル』が始まる以前からマッツのことは認識していて好きだったけれど、何しろホラーとグロいのが苦手なので
「私には無理!」
と観るの先送りにしてきた。
やっぱりビビりで観てこなかった『羊たちの沈黙』をどうにか観たので、やっと観ることにしたよ。


殺人事件の現場を見ると犯人の行動や気持ちに同調できる特殊な共感能力を持つウィル・グレアムと、精神科医ハンニバル・レクター博士とが、ともにFBIの捜査に協力する過程で距離を縮めていくストーリー。

思っていた以上に血生臭い描写の多いホラースリラー+ミステリー。
ハンニバルの正体を分かったうえで観ているにも関わらず、他の殺人者が出てきたりハンニバルの行動の意図は明かされなかったりするから、終始緊張感がすごい。
そしてマッツの色気と気品がすごい。
スーツの着こなしを改めて観るために、もう一周第1話から観直してもいいくらい。
精神的に追い詰められていくウィルの不安定さを表現するヒュー・ダンシーの演技も素晴らしい。

どこかのインタビューで
「マッツを起用することについて、製作サイドの中では反対する声もあった」
と読んだ記憶があるんだけれど。
いざ観てみると、作品全体のホラー描写と美の融合を表現出来たのはマッツ・ミケルセンがレクター博士役だからこそ。マッツじゃないとただ血みどろで凄惨なだけのドラマなのでは? と思ってしまった。

殺人事件やホラー演出だけでなく、ウィルとハンニバル・レクター博士との距離感にもハラハラ。
ウィルは不安定で弱いキャラクターにも見えるけれど、稀有な共感能力とパーソナリティに同じく非凡なレクター博士が惹かれるのは分かる。
そしてラストがなかなかショッキング、シーズン2への繋ぎ方が巧い。
リアルタイムで観ていた人たち、「そこで終わるの? 早く続き見せて!!」だったと思う。
(シーズン2が放送されたの、2年後? マジで?)
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