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ザ・クラウン シーズン5のtaruponのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン5(2022年製作のドラマ)
4.1
このシーズンから、エリザベス女王は、イメルダ・スタウトンにバトンタッチ。イメルダ・スタウトンは私の中で、ちょっとエリザベス女王のイメージと違ったので、最初の1話目こそ、ちょっと違和感があったが見ているうちに馴染んでいった感がある。ジョナサン・プライスのエジンバラ公は、老境にさしかかって少しだけ丸みを帯びたフィリップとしては最高!

今回は、実際に事件が起こったことをリアルタイムで知っていて、また過去にいろいろな映像で垣間見ているだけに(何ならアンドリューモートンの「ダイアナ妃の真実」も当時読んだ)だけに、ダイアナ側からの見方、チャールズ側からの見方が両方から見れて面白かった。
まぁダイアナとチャールズとの確執に関しては、お互いに価値観の相容れない同士が意固地になった結果なのだけれど。ダイアナもある意味未熟だし、チャールズもあまりにも自分勝手すぎる。

それにしても、生々しい。チャールズ皇太子も、40過ぎても自分自身の役割というものを持たされず飼い殺し的な状態の中で自分を認めてもらいたい気持ちがいっぱいだし、ダイアナももともとの幼少期の育ち方があるけれど、愛情を常に求める不安定さがあり夫との相性が最悪。そんな2人がシステムとしての側面が強い家族の中で自分らしく生きることに模索する姿は、見ていて痛くなる。

モハメド・アルファイドの話はすごく興味深かった。
1代でのし上がった大富豪が、エドワード8世に教育され執事を務めた男を手に入れ、リッツホテル、ハロッズを手に入れ、王室との縁を求めてアスコット競馬での最前列の席を手に入れ・・・
絵に描いたような成金的な発想なのが面白すぎる。
でも、女王からは敬遠されるそうした行動も、ダイアナとはある種の共犯的な親しみで仲良くなるのも面白かった。

あと、すごく気になったのが、王子2人のうちウィリアムは割合フューチャーして描かれていたけれど、ヘンリーの出番はちょっとだったこと。
もちろん、ちょうどイートンに通うタイミングであったこと、次代の王位継承者であるということもあると思うけれど、ちょっと現在の状況に慮っている部分があるのか???(次のシーズンはどれくらいでてくるんだろうか)
でも、ウィリアムの描かれ方を見て、もちろん母の味方ではあっただろうけれどあの年齢ならば、母へのシンパシーと共に、女王をはじめとした人達との交流により母を客観的に見る視点も出てきていたのだろうなとなんか腑に落ちる部分もあった。

最後、結構中途半端な終わり方で、あれ??と思ったけれど。
まぁ最終シーズンに期待!
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