はんそく負け

ウルトラマンティガのはんそく負けのレビュー・感想・評価

ウルトラマンティガ(1996年製作のドラマ)
4.5
10年ぶりくらいに再見。ようやっとこの作品の凄さが分かった気がする。
とにもかくにも各話のクオリティが異様に高い。シナリオも面白ければ一瞬たりとも気を抜いてない特撮も素晴らしすぎる。初代のウルトラマンが予算やスケジュールの都合で39話で終わってしまったリベンジを何十年か越しに果たしたって感じだよね。
で、そのクオリティが実現できたのは、これまでのウルトラシリーズから抽出した要素を各話のベースに敷いていたからではないかと思う。たとえば3話は「ノンマルトの使者」、4話は「故郷は地球」、7話の導入なんてもろ「ダーク・ゾーン」であって、それをアレンジしてまた違ったものに仕上げている。1年乗り切るための工夫でもあり、これまでの集大成にもなっていてマニア心をくすぐられもする良いアイディアだと思う。
ベストは25話「悪魔の審判」。こんなベタな選択はしたくないんだけど…。しかし何回見てもこの話が25分に収まっているとは到底思えない、やばすぎる密度に感動する。
その上で変身シーンがめちゃカッコいいんすよ。走り去るクルマの後ろからの視点で、それを見送るダイゴが遠ざかっていくんだけど、おもむろに彼が画面右手に走り出して建物の陰に消えていくと、スパークレンスの音が鳴って上方に大きな光が差す。特撮史上最もカッコいい変身シーンのひとつだなぁ。他5話、8話、29話、33話などなど好きな回をあげればキリがない…。