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ER緊急救命室Ⅹ<テン・シーズン>のMIDORIのレビュー・感想・評価

3.0
グリーン先生が亡くなってすぐのシーズン9は方向性が定まってない感じがあったものの、シーズン10は面白かったです。ただ、キャラクターの周辺の人たちに不幸が多すぎて、そこまでしなくていいだろう感はありました。

⚫︎カーター⚫︎
アフリカから帰ってきてのも束の間、ルカを探しに再びアフリカへ戻ってしまうところから始まります。で、カーターは何故かそのままアフリカに残ることに。なので、ドラマのオープニングで最初にクレジットされるカーターが全く出てこないエピソードもそれなりにあって、なんだかなぁという印象。アフリカ系フランス人のケムと恋人になり、ケムの妊娠発覚で帰国。ケム選ぶならアビーのほうが良かったと思いますが、これまでの傾向からカーターは我の強い女性が好きらしい。ケムとの子の結末は悲しすぎました。このドラマはカーターに試練を与えすぎ。

⚫︎ケリー⚫︎
最初はロマノの扱いに困っていたり、いつも通りのケリーでしたが、途中で妻サンディ・ロペスが出産(笑)ケリーが流産したときに、サンディは妊娠なんてしたくないと断固拒否していたのに、出産に至るまでに何があったのか描かれないせいで疑問だらけでした。ただ、その後いつもと同じ毎日を過ごしていたはずのケリーに悲劇が起きて、悲劇の後にまた悲劇が起きる。そこまで苦しめなくても…。

⚫︎アビー⚫︎
キャロルから続く看護師レギュラーのアビーがこのシーズンでは最初から最後まで中心でした。キャロルも医学生になるための試験を受けたりしていましたが、アビーに関してはそもそも医学生で、学費が払えなくてERで看護師のバイトをしていました。バイトなの?っていうくらい激務だし、途中で看護師長になってるし、アビーがこれまで仕事と学業を両立させてるシーンはほぼ無かったのに、突然その話が復活して、カウンティーで研修を受けることなる。色々な部門で研修を受けるにつれ、元々あった現場の知識もあって、より成長するアビーの姿はとても良いですね。そして、医師を目指すアビーの後釜として新たな看護師レギュラー・サムが登場。

⚫︎ニーラ⚫︎
アビーと共に存在感が強くなってきたのがインド系のニーラ。NICUの回で、アビーと共に小児科研修を受けて、研修をするごとに自信を付けていくアビーとは対照的に、ニーラは自信を失っていくものの、アビーと団結して研修を乗り切ります。しかし、とある患者の対応の際、ニーラの独断で患者が亡くなり、それをガラントが庇ったことで、一瞬ガラントとギクシャクするも最後はお互いの気持ちを確かめ合って別れることに。

⚫︎プラット⚫︎
プラットは、チェンの両親と会った後にチェンと破局。前のシーズンまでプラットのほうがチェンに夢中だったのに、いざ結婚?となったらプラットが「遊びじゃないの?」とか言い出す始末。結局この二人の関係はなんだったんだろうか。プラットの面白かった回は「ままならぬ夜」です。個人的にERで一番好きな「夜勤」(シーズン2の18話)に似ていました。触診の回も面白かったです。

⚫︎チェン⚫︎
プラットと別れた後は、インターンを気に入ったりしていたものの、両親の事故や介護で疲弊するチェンの姿は今までないものでした。

⚫︎ルカ⚫︎
引き続き私生活が荒れているルカは、アフリカから戻ってきた後も病院の女性たちに片っ端から手を出している。医者としての心を失って荒れていたからアフリカに行ったのだと思っていたけれど、アフリカに行って医者としての心を取り戻しても、私生活は変えられない模様。しかし、サムの息子との交流を通じてサムと恋仲になるものの、サムの息子の実父の登場で関係は複雑に。ルカはイケメンだけど、キャラクター性が微妙すぎる。

⚫︎スーザン⚫︎
スーザンはやっぱり医師としては優秀!スマートにこなしすぎて、ついスーザンが優秀だということを忘れてしまうけど、施術するときは冷静だし腕も良い。ただ、患者に感情移入しすぎる部分があるので、そこだけなんだよな〜とは思います。以前のガン患者の男の子もそうだし、今回の視力を失う病の患者ホランダーもそう。ノリで結婚した救急隊員と離婚するしないとか言ってて結局どうなったんだっけ?と思ったら、まだ続いてて「え!?」となりました。一応婚姻無効にはなってるみたいですが、関係は続いていて更にビックリなことも起きる。あと、スーザンとチャック、なんか顔似てるんですよね(笑)

⚫︎ロマノ⚫︎
前回ヘリコプターで腕を切断してしまったロマノ。縫合した腕に火がついて、今度は切断することになり、このシーズンでは義手を着けて登場。より嫌味な人になって、ますます厄介者扱いのロマノでしたが、8話の「悪夢再び」で衝撃的なラストを迎えます。腕を失ってから、外科医として仕事をしているロマノは全く見られなくなりましたし、今回もまたヘリコプターによって衝撃的なラストを迎えるわけですが、このドラマの脚本家はなんでロマノをこんなにヘリコプターで苦しめるんでしょうか(笑)ロマノの追悼式でERメンバー冷た過ぎる。嫌なヤツだったけど、病院で腕を失って病院で事故に遭って亡くなったのだから、もう少し悼んでもいいのでは…?

⚫︎コーデイ⚫︎
前回コーデイの話も多めだったのに、今回は急激にコーデイのエピソードが減りました。あるのは恋愛系の話ばかりで、またそっち系!?とガッカリ。コーデイはロマノの教え子だし、もっと外科医として活躍する姿を描いてほしい。フィナーレ直前で久々にレイチェルも出てきました。

⚫︎思い出のエピソード⚫︎
16話でモリスを粉々にするために軍から戦車を盗んでシカゴ中を破壊しながらカウンティーに向かってくる話は笑いました。モリスが適当な精神科の診断をしたため、責任を感じたモリスは戦車から出されてERに運ばれた患者の治療に一生懸命。このエピソードでは、後に映画界で大活躍のジェシカ・チャステインもゲスト出演で、ゲストの見応えありすぎ。

⚫︎その他ゲスト⚫︎
ルカとスーザンが担当した赤ちゃんの母親がストレスから薬とアルコールを摂取していて、それが原因の事故だろうということでスーザンがソーシャルワーカーを呼ぶのですが、それがダニエル・デイ・キム!このドラマは、海外ドラマの入門編と言われていますが、このドラマにゲストで出た人たちの大成が凄いので、色んなドラマを観てからERを観ると、若手時代を観ることが出来るので面白い。ダニエル・デイ・キムはこのエピソード以外にもソーシャルワーカー役で登場しました。事故を起こした患者役でJ・K・シモンズなども。
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