ラッパーとして一山あてた主人公たちが、ヨーロッパツアーに出発するも相変わらずトラブルまみれの生活を送る。
成功してもデッドエンドな雰囲気はそのまま。シーズン2の「テディー・パーキンス」をずっと見せられてるような、松本人志のつくる暗黒コメディ世界に延々つき合わされてるような感覚。
BLMや人種・経済問題で揺れるアメリカを足場に、その問題から一歩も逃げずに、或いはアフリカ系のメインキャストと日系人監督というコンビネーションゆえ逃げることも許されず取り組んだ作品なのだろう。そういう厄介さが隅から隅まで充満している。
うすた京介のマンガにおそろしく下らないことをやって相手の戦意を喪失させる「セクシーコマンドー」なるものがあったが、そんなことを思い出した。
アメリカのミュージシャンが日本人の演奏をみて「皆それぞれすばらしい腕前だと思う、しかしこの中の誰も世界的スターがニューヨークのホテルにいる時どれだけ孤独なものか、説明したって分からないだろう」との言葉を吐いたという、そんなことも思い出す…
とにかく密度の濃ゆいシーズンで、一見の価値あり。ただ密度が濃ゆけりゃ成功なのかと問われると返答に困る。3分の1くらい主人公たちが出てこなかったりしてアメリカでも賛否あったらしい。「不案内なヨーロッパを舞台にしたせいでギャグが大味になってないか」などの意見を聞かされると余計に自信がない。そもそも外国製のコメディって判断しにくいもんだしなあ。
この次にくる最終シーズンはもう日本でも見れるようだが、舞台がアトランタに戻りファンもニッコリ、という感じらしい。その割にあまり話題になってないけど、それも含めて幸福な終わり方なのだろうか。早くネットフリックスにこないかな~。