戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズのレギュラーが、本放送枠の中で共演した歴史的作品。これまで両シリーズのヒーローは、映画などでは共演していたが、そうした共演はあくまでお祭り的で番外編的なものといえる。格闘技で言えばエキシビションマッチ、野球で言えばオールスターのようなもの。一方、本作品は、それぞれのテレビシリーズの30分の枠をつなげた1時間の枠で放送され、主人公だけではなく、主だったレギュラーが全て出演し、舞台もトッキュウジャーの列車がライダー達の住む沢芽市に停車するという場面からスタートし、はじめて双方の主人公が出会う場面は感動的。特に、トッキュウジャー1号のライトと仮面ライダー鎧武こと葛葉紘汰が一体一で会話するシーンなどは夢のようで1分1分が過ぎ去るのが惜しいほど(長年のファンには、若い2人のヒーローがそれぞれのシリーズを背負って対峙しているのに、緊張感を覚えたのではないか)。ストーリーは、映画の宣伝もあってか、地下帝国や昭和の3ライダーが出演するなどして、それぞれのシリーズとは離れる部分もあるが、基本的には、自分たちの目的があるトッキュウジャーが、ライダーの抱える今の問題を見過ごして、自分の責務に集中すべきかどうかという点。ここで悩むのはむしろライダーの紘汰のほうで、いつもポジティブなライトは、ここでも健在。まさに“奇跡の連結”に満点以外はつけようがない。なお、映画”平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊”では、トッキュージャーの5人が、後半、ライダーを助けに登場し、変身シーンから戦闘シーンまであるので、短い時間ではあるが、この春休み合体スペシャルと、ストーリーが繋がっており、トッキュージャーのファンの人にもお勧め。
熱いライトの以下のセリフは感動的。
紘汰:(助力を申し出るトッキュウジャーに)悪いけど、この街の闘いに君たちは関係ない。君たちは関わってはいけないんだ。ライト、君には君のやるべきことが他にあるだろう。
ヒカリ(4号):彼(紘汰)の言うこともわかる気がする。例えばさ、シャドーラインと闘うことを紘汰君が手伝いたいって言ったらどうする?彼にとってはもっと大切なことがあるのに。
(ここで怪人が街で暴れている情報が入る)
車掌(関根勤):この街にいるのはシャドーじゃないんですよ。我々が闘う必要はないでしょう。
ライト:(拳を握って)いや行く。
関根:どうしてですか?我々は、我々のやるべきことが、、、
ライト:なんでかわかんないけど、違う気がする。やるべきこととか、大切なこととか、そんなのは後で考える。
(飛び出すライト)
ライト(紘汰に対して):俺、頭悪いからさ、この街のことはよくわかんないけど、とにかく危ないってことはわかるよ。いくら特急でも、黙って通過できない。それだけ。
紘汰:ライト、君達には大切なことがあるのに。ありがとう。俺も頭悪いんだったな。難しいことは全部後回しだ。変身!