Joe

探偵物語のJoeのレビュー・感想・評価

探偵物語(1979年製作のドラマ)
5.0
あの頃、皆、松田優作に憧れていた。大人になったら、すべて真似しようと思っていた。ベスパに乗って、キャメルに火を付け、もちろんライターの火力は最大。シェリー酒と牛乳を愛飲し、コーヒーはブラックで一気飲み。黒のスーツを着て、パンツはベルトではなく、サスペンダー。冬はマクレガーのダウンジャケット。色はベージュ。
気がついたら、ダウンジャケットしか達成できていなかった。

このドラマではアドリブが連発される。特に予告でのナレーションがすごかった。盟友・山西道広にエールを贈り、石橋蓮司の口臭は耐えられないと訴え、番組延長を望む日本テレビをたしなめる。本当に延長のオファーはあったのかなぁ〜。低視聴率に苛立つテレビ局への皮肉なのかもしれない。しかし、それをそのまま採用する度量も大したもんだ。

松田優作が亡くなったのは、この10年後、1989年、平成元年である。まだ、40歳。奇しくも、ジョン・レノンも40歳で他界している。いつの間にか、この二人よりも多くの歳を重ねてしまった。松田優作が、もし生きていたら?とは考えないようにしている。無限に広がる可能性を縦横無尽に駆け回ったであろう彼の軌跡は、凡人に計り知ることなど出来る筈がない。只々、彼が残してくれた奇跡を堪能するのみ。それがハードボイルド道というもの。