Joey

不適切にもほどがある!のJoeyのレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
5.0
あの頃って、路線バスでタバコ吸ってた? そんなにケツバットばかりしてた? 聖子ちゃんカットとスケバンってセットだったっけ? 何だかよく覚えてないけど、情報源はテレビと雑誌しかなかった世界だから、芸能人はどこまでも不可侵なところにいたし、雲の上の存在にモラルを求めるなんて事はなかった。自分の世界は自分の周りにしかなくて、会ったこともない芸人や俳優やプロスポーツ選手が不幸になれば、相対的に自分が幸せになるなんて考えていなかった。そんなセコイ人間だったことに気が付いたのは最近の事だ。

昔はスタバのようなチェーン店なんてなかったから、個人経営の喫茶店が溜まり場。漫画が沢山あって、安くてボリュームのある定食があって、ヤンキー風のお姉さんが仏頂面でオーダーを取ってくれればミシュラン級。「いつも来てくれてありがとう」なんて言われれば一生の思い出だし、数年後に訪れて「久しぶり~」なんて言われたら泣くしかない。だから仲里依紗がカウンターの中に居たら、そりゃあ、一目惚れするだろう。あのジジイじゃなくたって常連になる。

錦戸亮が古田新太に変身するとは思っていなかったけど、あの第5話には泣かされてしまった。あの回があったからミュージカル部分も愛おしく思えるようになった。(コメディ&ミュージカルという新ジャンルを作った功績はあるかも)私は錦戸亮ほど誠実な人間ではなく、「高速道路を降りたら」に出てきた三馬鹿男のような性根の腐った人間なのである。照れ症だからという言い訳はあるけど、実の父親にも優しくできないのに、義父とかいうよく知らんオッサンに人前で優しくはできない。だから、あんな風にスーツを仕立てただけでぐっとくるし、妻と義父に再会できた古田新太の事を考えただけで人前でも涙が止まらなくなる。バス通勤に切り替えたいな。
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