トケグチアワユキ

新!少年探偵団のトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

新!少年探偵団(2021年製作のドラマ)
4.6
(ここまでの4シーズンを通しての感想です)
原作を忠実に映像化とうたってはいるが、アートと悪ふざけの中間を行くような映像作品。
味わいとしては薄笑いの鈴木清順て感じ。

こういうすっとぼけたのは大好物で、新作が発表されるたびにシリーズを頭から見返している。
1シーズン30分3作で構成され、3作それぞれ別のディレクターが担当しているが、ひとりひとりの作風はまるで違う。
ただ、とにかく俳優然とした俳優を使わないと指示されているかのように、トリッキーな人選が徹底されている。

たとえば原作者や小説の作風、ドラマの重厚さ、映像のリアリティなどを基準にされている方々には、まったく不向きなシリーズ。
まあ、金田一耕助が満島ひかりですからその辺は自明ですが、テレビで紙芝居だったり、いい歳のオッサン達による少年探偵団だったりを笑って観ていられる、小劇場マニアに向けたを意欲作ともいえる。
柔道家の篠原信一とかハライチの岩井とか、舞台に引っ張り出すには難しいキャスト、舞台じゃなかなか見せづらい「人間椅子」のリアル装置などなど、トピックには事欠かないシリーズです。