二兵

ファルコン&ウィンター・ソルジャーの二兵のレビュー・感想・評価

4.2
黒人がキャプテン・アメリカの名を継ぐということは何を意味するのか。その重さとは。

アメリカ合衆国という国の歴史、そして現状(作中の舞台となる"指パッチン後の世界"は、そのまま分断されたアメリカ合衆国ひいては現代世界のメタファーとも読み取れる)から来る問題に真っ向から取り組み、それに対する一つの回答を描いて見せた傑作だった。

ジョン・ウォーカー、フラッグ・スマッシャーズ、ジモ、そしてパワー・ブローカーと幾つもの勢力が登場するが、単に善悪で割り切るのではなく、それぞれに正義、主張があり、単純な善人や悪人として描写されていないのも良かった。

最終話におけるサムの演説というか、全世界に向け、語りかける場面は必見。サムはスティーブのような超人兵士ではないが、黒人である彼だからこそできることがあるという展開は泣ける。
二兵

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