NicoJay

石の繭 殺人分析班のNicoJayのネタバレレビュー・内容・結末

石の繭 殺人分析班(2015年製作のドラマ)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

第1話の冒頭でモルタルを使った殺人事件が発生するも現場保存がいいかげんで、「その程度のドラマなんだな」と思った。
といってもドラマはあくまでフィクションかつ娯楽の一種であるし、事件現場に手袋をしただけの刑事がズカズカ入っていくなどよくある描写なため、気持ちを切り替えて新米刑事・如月塔子巡査部長(彼女は準キャリアなので初任で巡査部長)の成長譚として観ることにした。

が、目につく部分が多すぎてのめり込めない。
以下順不同で、
・警視庁と所轄の合同捜査本部が立ち上がっているにもかかわらず、話を進めるのは如月と鷹野警部補の二人、それとテルミーを名乗る犯人。
・捜査が進展するのは犯人から電話でもたらされた情報によってのみ。
・犯人との電話対応はほとんどが新米刑事如月の自由発言。
・犯人が捜査本部へかけてくる電話に対し、すぐに逆探知して緊急配備したり、まるで何もしなかったり。
・いみじくも所轄の巡査部長が指摘したように、鷹野たちのチームは探偵ばりの推理ばかりしている。
・その推理ごっこ(筋読み)を大辺屋なる飲食店で開き、情報の一部を同店アルバイトの犯人に聞き取られている。
・犯人の服装は異様に目立つもの(帽子、サングラス等)であることが判明しているにもかかわらず、捜査の網にもかからない。
・高校時代に犯人はできるだけ目立たないよう過ごしていたというが、目立たないわけがない髪型。
・植え込みに隠されていた封筒を鷹野が「爆弾かもしれない」と言いながら手に取り、「毒物が仕込まれているかもしれない」と言いながらその場で開封する。
・廃病院や廃工場で犯人を捜索する際、あらかじめ拳銃を抜いて構えたまま、何かというと銃口をそちらへ向ける。
・応援がなかなか来ないと思っていると、しかるべきタイミングで到着する。必ずそのパターン。
・廃工場で犯人の目論見に気づき「逃げて!」と叫んだ如月が、なぜか棒立ち。
・廃工場の屋根の一部を吹き飛ばすほどの威力を持つ爆弾の近くにいた如月が、ほとんど無傷。病院から捜査本部へ戻ると、瓦礫に挟まれた左手首に包帯を巻いているだけで、血が滲んでいた額には絆創膏すら貼られていない。
・AED(自動体外式除細動器)の理解が間違っている。
・一撃で意識や行動力を奪うほどの威力を持ったスタンガンは、相手を死に至らしめる可能性が高い。

長くなってきたのでこのへんで。
フィクションだからこそ細部の“もっともらしさ”がないと成り立たない、その好例ですね。
撮影時20代後半の木村文乃が、すっきり整った美形(触覚ヘアは時代を思わせますが)でアップも多用されていたので、甘めにスコア2.1。
NicoJay

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