RISA

ホークアイのRISAのレビュー・感想・評価

ホークアイ(2021年製作のドラマ)
4.0
ー 失ったものにどう対処するかのゲームだ。

マーベル作品では「アベンジャーズ」から
主要メンバーとして活躍していたけど、
物陰から隠れてターゲットを狙う弓矢の使い
っていう戦い方や穏やかなキャラクター像から
周りのアベンジャーズと比較しても
あまり目立たない地味な存在であった彼。  

さらには彼にフォーカスした作品が
映画シリーズではなかったから、
知ってる情報といえば家族がいる
ヒーロー兼パパさんくらいのもの。

ただ、「エンドゲーム」では
あの彼女の死を最も近くで痛いほど感じて、
さらには指パッチン後の世界では
多くを失い、抜け殻になり、彷徨った彼が
とった“アベンジャーズ”とは違う闇の仕事。
そう思うと地味だと思っていた彼もまた
間違いなく正義の代償を払っていた
アベンジャーズの一人なんだよね。

そんな彼が今作では、
エンドゲーム後の今の時間軸で
(舞台となるニューヨークの“クリスマス目前”
っていうのも公開された時期と重なっていて
時間を共有できてるようで嬉しかったな〜。)
ヒーローとしての平和ではなく
父として“大切な家族との時間”を守りながら、
ヒーローである彼が今まで払った正義の代償と
向き合っていく物語。

クリスマスモードな軽快さもありつつ、
(1話1話、さらっと見れるよね〜)
クリントの言葉や表情には重みがあって
マーベルファンにしてみたら、
痛く共感してしまうところも。。

またピッチ・パーフェクト3でも登場した
ヘイリーさんは、少し空回りしてしまう
勇猛果敢なキャラクター像がハマっていたし
舞台となるニューヨークもアベンジャーズが
ミュージカルにまで浸透しているっていう
現実ともリンクしてしまいそうな感覚も
マーベル作品で初めて感じて新鮮だったな〜

とはいえ、今作で強く感じたのは
幸せなヒーローの形とは?ってこと。
エンドゲームで、
個の幸せより大義を選んだトニーさん。
(キャプテンの助言もあったけど、
肝心なキャプテンは最終的には
個の幸せをとっていったのよね〜。)
大義が個の幸せになっていたナターシャ。
正解なんてないのかもしれないけど、
今作では大義も個の幸せも守ることができる
頭脳とパワーとそして“バランス力”のある彼を
通して、地味だとされたヒーローだからこその
“幸せ”に触れられた気がして。

結局ヒーローって皆孤独に戦っていて、
多くの人に愛されながらも自らは愛せない
(愛したあとの代償が大きく支障がでるしね)
ってイメージがどうしてもあったから、
幸せなヒーローの形が描けなかったんだけど
今作ではその答えが体現されていて。

またクリスマスのほわほわした空気感とともに
皆が報われていく感じもすごくよかったな〜。

第二章となるアベンジャーズがこれから
どんなメンバーでどんな展開になっていくのか
今までのアベンジャーズが好きだったぶん、
見たくないような気もしつつ楽しみだな〜。
RISA

RISA