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コウラン伝 始皇帝の母のMMMMerのネタバレレビュー・内容・結末

コウラン伝 始皇帝の母(2019年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

面白かったので一気に62話観ました。

中国によくある王妃伝モノで印象としては独孤加羅に似てるなと思いました。

エイラクと同じ制作と読みました。エイラクを既によく覚えていないのですが、見た後に「結局皇帝無双か」みたいな気持ちになったのを覚えてます。ストーリー展開は緻密で面白かったのですけど、主人公と皇帝の関係性が釈然としなかった。

本作「コウラン伝」もストーリー展開のち密さや頭脳戦の面白さは共通するなと思いました。テンポも良いので「延々いじめのシーンが展開して疲れる」とか言うこともありません。(とはいえ1.4倍くらいでは視聴しましたが)

過去の敵が友になったり、友が敵になるというサバイバルや勧善懲悪ではない展開は中国ドラマらしくて楽しい。

本作の随所にちりばめられたテーマに「女性が感じる理不尽」があります。結局世の中は男が操ってて、女は男の評価次第。男に媚びる事を求められる。
良妻賢母であることを求められて本音を言う機会もない。

そういう息苦しさは現代にも程度の差はあっても存在すると思うので、随所随所で主人公が、あるいは悪女たちが堂々と語る女性に生まれた理不尽や女性というものが潜在的に共有している男性という敵への想い、したたかさが痛快でした。

ただ
自分は女性だから痛快と思いましたけど、男性はスッキリしないかもしれないですね。

本作に出てくる登場人物は皆強くて、全く一筋縄じゃ行きません。
(弱い人はすぐ消える)

女性たちは愛した男性であっても許さない時には許さないし、従順を装ってても裏切ることもある。
男性も同様。自分の志のために他者を犠牲にすることも厭わない。

激動の中で主人公は常に自分の信念を曲げることなく誰に何と言われても優しく誇り高く生きるのも好きでした。

主人公と男性2人の最後は何とも言えない色合いですが、結局彼らは若いころの志を最後まで貫き通したと思う。

長い短いにかかわらず「思うままに生きる」人生を礼賛する主人公を見て、この3人は乱世を悔いなく生きたのだと思えました。
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