Joey

おかえりモネのJoeyのレビュー・感想・評価

おかえりモネ(2021年製作のドラマ)
5.0
「俺は立ち直りたくはない」という新次の言葉が突き刺さったままだ。立ち直れる筈なんてない。崩れ落ちたまま、そこで生きていくしかない。昔に戻ろうとしても、そこに彼女は居ない。だから、全く別の生き方しか選択肢はない。真面目に働いてきたんだから、呑んだくれになっても良いだろう。海に全てを捧げてきたんだから、地べたに這いつくばって雑草を取り続けても良いだろう。家族や友人に囲まれて生きてきたのだから、これからは一人で静かに生きても良いだろう。空から雨が降り、山から海に水は流れる。全てが繋がっている。だから、新次も海から山に移っただけ。また、いつか、海に流れてくるのかもしれない。

殆どジブリの世界から飛び出てきたような夏木マリは山を守り、今でも日活ハードボイルドな藤竜也は海を守る。全ての熱量を放出するかのようにブルースを歌う女と、バーのカウンターで静かに獲物を狙う男。こんな二人が朝ドラで共演したのだから、観ない訳にはいかない。
今にも「きのう何食べた?」と言いそうな西島秀俊と内野聖陽の二人は、テレビ局のロビーでお互いを確かめ合う。このまま二人が駆け落ちでもしたら、どんな朝ドラになったのやら、心配でもあり、期待していたりもしたのだった。
宇田川さんに会いたかった。候補としては「透明なゆりかご」の瀬戸康史か、「きのう何食べた?」山本耕史。コウジついでに大倉孝二も捨てがたい。スピンオフでお願いします。
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