玉生洋一

カムカムエヴリバディの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

カムカムエヴリバディ(2021年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

#1-5
朝ドラの第1週として過不足ないつくりで満足できた。
「鍵となるラジオの登場」「英語講座との出会い」
「兄・三太の人生の悩み」
「淡い初恋」「自転車の練習」「夏祭り」
毎回見せ場がきっちりとあるのがいい。

一番良かったのは兄・算太のエピソード。いいキャラ。
夏祭りの映像が美しい。
和菓子が実においしそうで、全国の和菓子屋の売上がのびそう。

#8
帰りの列車で泣き続ける安子。
岡山に着いたと思ったところで不意に登場する稔にやられた。
様子の異常を察知はできても列車に飛び乗るという行動はなかなかできない。そういう行動ができる人間でなくてはと思い知らされる。

#9
安子の家族の前で、堂々と思いを述べる稔の姿に感銘。
信念と思いやりのある言葉を堂々と語れる人間でありたい。これからそうなろうと決意した。
兄弟のキャッチボールで兄に「俺あんこが好き」と告げる弟。
気持ちはわかるがそれはフェアプレーではないのではと思ってしまう。
真面目で心優しい兄は、弟思いでもあるだろうから、身を引いてしまうのではないかと心配する。

このようなときのフェアプレーとは何かを考える。
●自分も好きなことを打ち明けた後で「遠慮するな。対等な立場で競争だ!」と宣言する。
●兄弟でじっくり「どちらがより好きか」の意見交換をする(自分のほうが負けだと思ったほうが見を引く。勝敗がつかなくても、意見交換によって恋愛相手をより幸せにできる道筋が強化される)
……等だろうか。


#38
う〜ん、ひどい。
物語としてこのような筋になるのは予想できたし
盛り上がるからそれ自体はいいのだが、
駆け足すぎて、
るいが「I hate you」と突き放すのが唐突に感じてしまう(おそらくるい本人もすぐに「これでよかったのか」と思う程度のことに感じてしまう)。

深い断絶に説得力をもたせるなら
「入学式に来ずにロバートと抱き合っていた」という勘違いの他に
複数の材料があったほうがよかったのでは。
「るいが恋した少年と遊ぶのを安子が反対した(るいのことを愛するがあまり)」
とか
「初恋の少年に傷が原因でふられて母親を恨むようになった」
等の事情が重なってのことであれば
入学式のことがきっかけとなって「I hate you」の場面に
帰結しても納得がいくのだが。

ともかく明日も目が離せない。
深津絵里が20代のるいを演じるのは少々大変そうだがだいじょうぶか。


#39
前回のラストに出てきた虹郎はてっきり勇の息子だと思っていたのに
勇だったので驚愕。
深津絵里登場時にはてっきり30代(少なくとも20後半)にジャンプすると思っていたのだが
学校卒業時からはじまったことにまた驚愕。
どういうキャスティングなのだろう。
配役決めと台本執筆をまったく別々に行ったのだろうか。
まぁおれもまだ学生役ができるということか。


#?
その後も視聴中。
川栄李奈の演じるひなたは元気でいい感じ。
気になるのは
「英語が話せる人が少ない時代にラジオ講座で英語を勉強した安子」
「額の傷と心の傷を背負いながら懸命に戦後を生きるるい」
「有望なトランペッターだったのに原因不明の症状で活動を断念したジョー」
らと比べると
ひなたの人物設定(生き方や目標)が今のところ薄いのではということ。

安子とるいの断絶が、ひなたの存在のおかげでつながって関係が修復されるという大筋なのだとは思うが、
先に大筋ありきで
ひなたという人間がコマとして扱われてしまっては
つまらない。
モモケンの親子の仲違いのくだりも
安子とるいの断絶にあわせて用意されたものなんだろうなぁと
感じてしまうと途端にもうさめてしまう。

人は誰しもが自分の人生では主人公だと思うので
ドラマ上の都合だけで形作られるのではなく
「それぞれの人物を実在の人物のように深く作り込んでいったら
その人が主役の人生もしっかりと確立し
結果的に仲直り役も担えた」
という作りになればいいなぁと願っている。