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信長のスマホのtubameのレビュー・感想・評価

信長のスマホ(2023年製作のドラマ)
3.2
もし歴史上の人物がスマホを持っていたら...という設定のショートドラマ第4弾。


毎回大河ドラマと登場人物がリンクしており、今回は「どうする家康」に合わせて信長が主人公。第1作の「光秀のスマホ」のアナザーストーリーとしての側面があるのは本作のみの仕掛け(自分はほぼ未視聴のため詳細は分からない)。


当初キャッチーであったはずのスマホ画面の作り込みやSNSあるある的な面白さはさすがにシリーズを重ねて薄れてしまったが、製作陣もその点は重々承知の上とみえ、今回は特に首尾一貫したストーリーを重視する構成になっていた印象。
スタートが信長の母のスマホなのはかなり予想外で、そこから屈折した信長の愛と底知れぬ孤独が短い時間にじわじわ織り込まれていく様は、親子の関係性を見事に表現していると思う一方で、初手から陰が濃くて結構しんどかった。
ゲームみたいな傍若無人なキャラクターを想像していたら、そこに居たのはずっと寂しい気持ちを抱えた青年で、どこまでも生々しいヒトだった、という。


義経編の幕切れも辛すぎて情緒がおかしくなったが、今回はそれ以上に切なかった。本心と一致しない文章...。
話の筋自体はしっかりしたものだが、救いがあまりにないので好んで観たいかと言われるとそうではない、というのが正直な感想かな。
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