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DOC(ドック)あすへのカルテ シーズン2のtubameのレビュー・感想・評価

4.2
イタリアの病院を舞台に繰り広げられる医療ヒューマンドラマのシーズン2。
今回はコロナ後の設定で、コロナ禍で登場人物たちが受けた傷や悲しみがシーズンを通して付きまとう展開となった。医療崩壊が起きたイタリア制作ゆえ避けては通れなかったのだろうが、ここまで明確に当時の医師たちの葛藤や苦悩を正面からストーリーに組み込んだことは評価されるべきと思う。自分を犠牲にして医療に従事する医師の姿に感謝の心しか涌かなかった。新加入のチェチーリアが感染症の専門医という設定なのも当世風で、前半は彼女に振り回される一方、後半は彼女の力で救われるというのが物事を0か10かで判断する愚かしさを突いているように思う。


前作では各回のゲストの治療2~3件と、メンバー個々人が抱えるプライベートな問題が同時進行しながらクロスしていく展開が秀逸だったが、今回はかなり登場人物の恋愛面のゴタゴタが増え相対的に医療パートが激減。相変わらず面白いのだが、前作の謎解きのような治療劇を楽しんでいた身としては若干物足りなさを感じたのも事実。似たタイプの医療ドラマならアメリカのドラマに沢山あるし...。イタリアだと恋愛要素は譲れないのかなー。主人公・アンドレアが元妻アニェーゼに期待しては毎回振られるのはもはやギャグに見えてちょっと笑ってしまった。入れ込むのが難しいなら恋愛要素生やさなくてもいいんだよ...


最終回の展開はあまり納得出来ず、モヤモヤが残った。最後の結論はまあそりゃそう、としか言えないけどあの犠牲はドラマ上必要あったのかと思ってしまう。良くも悪くもアンドレアは完璧な医師ではなく過ちも失敗もすることが全話通して描かれたシーズンだった。
とはいえ、放送されたら来シーズンも絶対観る。
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