架空のチキューを舞台に、5つの個性溢れる国とそれを治める王様たちの活躍を描いたファンタジー戦隊シリーズ。
最新のLEDウォールを使用しロケ撮影が極端に少ないというのが大きな特徴で、CG合成によって壮大な世界観を作り上げた。物語面でも所謂戦隊のお決まりを廃し、ハードで連続性を重視した大河ドラマ的作風であった。
率直に言って、これほど評価に迷う作品も珍しい。
個性的なキャラクターたち、壮大な世界観、魅力的な俳優陣が揃っていて定期的に訪れる爆発的な見せ場も面白く、前半は夢中になって観賞していたことは間違いない。前半に関して言えば、とても好きな作品だった。
しかしながら、中盤で第二章になってからは主に物語面での粗が目立つようになりモヤモヤを抱えた視聴が増えていった。
その点をどこがどうと表現するのが難しく、結局感想が纏まらなかった。気になるところは一つではないし、でも好きだと思えるところもいくつかあって...みたいな。
間違いなく残念だと思っていたのは王様と側近の繋がりが強く描かれた結果、キングオージャーとしてのメンバー同士の繋がりが薄い印象だったことだ。これは王様が6人という設定上厳しかったのかもしれないが、戦隊シリーズにはチームプレーを求めていたのでやや寂しかった。仲が深まったことを感じるエピソードも後半に集中していたのが惜しい。もっと他愛もなく打ち解ける話が見たかった。全体的に大人の関係という感じで、それもらしいっちゃらしいのだが...。
あとは昆虫ロボのシュゴッドが言葉がなくても個性が表現されていて愛らしく、ギラとの絆描写も良かっただけに二部で存在が空気になったことも勿体無く感じた。
スコアに関しても迷ったが、最終回まわりに熱狂出来なかったことが自分の中での結論かなと思い低めにつけた。
映画を観ているような画造りで圧倒されたし、集大成としては良かったのだが敵まわりのモヤモヤがそのまま残ったのがそういう感情に繋がったのかなと思う。
ただ繰り返すけど、前半の爆発力は凄くてここ数年でも上位に入るくらいハマって毎週楽しみにしていたし、後半でも1つ1つの見せ場の力は凄く、楽しい場面も多々あったので、1年間試行錯誤しながら作品を作り上げた関係者の皆様にはお疲れ様でしたと心から言いたいと思っている。
