SAKUMATHENERD

レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星 シーズン2のSAKUMATHENERDのレビュー・感想・評価

3.0
リドリー・スコット御大(以下御大)監修ということで気になりシーズン1を楽しく鑑賞した。その時からシーズン2の制作が決まっていた事もあり配信を心待ちにしていたシリーズ。

御大が一貫して描いている(近年では『プロメテウス』、『エイリアン:コヴェナント』に1番近い)"創造主と非創造物"と"宗教"をテーマとして、異星で人類を保護しコロニーを作ること命じられたアンドロイドと人間の共同生活が描かれる。

シーズン2ということで、コロニーも広がり人間の文明も発達してきていて子供だった登場人物達も成長していた。シーズン1からではあったが感情を持つアンドロイドがもはや人間とそこまで変わらない所に笑った。マザーもファザーも少し人間より賢くてタフなだけでかなり私利私欲にまみれた主観で意思決定をしている所が伺えた。

今シーズンでよりテーマとして前面に出ていたのは"宗教"であろう。特に人が"何かを信じるあるいは信じるのを辞める"過程とその瞬間が丁寧に描かれており、勝手に点と点を結びつけてはこじつけて自分達より高次元の存在のおかげと有り難がる(あるいは勝手に裏切られたと思い信じるのを辞める。)のは何億光年たっても変わらないのか。あれだけ文明が発展している未来の話であるにも関わらずまぁ人類は学習しないのかそもそも何かに縋ってしまうのが人間の持つ性なのか。兎にも角にも多くの登場人物がソルの掌の上で転がらさせられていた印象。

衝撃の結末で終わった前シーズン、風呂敷として広がったままにされていたヘビ=No.7の件はあまり上手く片付けられていないように映った。マザー勝手でこの世に生まれる落ちるハメになった挙句、マザーの勝手であの様な結末に至るのは中々にかわいそうである。前作で明確に提示されていた"非創造物が生命創造する力を手に入れる"という所に対するアンサーも無く、ヘビ坊やは上手く生かされて居なかった。

全体的に前シリーズからさらに風呂敷が広がり要素がとっ散らかっていて上手くまとめてられていなかったように感じ期待していた分少しがっかりしております。しかし、シーズン3もありそうなので、異性に住む魚人みたいな生物や新アンドロイド"グランドマザー"がどの様に絡んでくるのか楽しみにして挽回に期待することにします。
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