SAKUMATHENERD

パム&トミーのSAKUMATHENERDのレビュー・感想・評価

パム&トミー(2022年製作のドラマ)
4.0
青年雑誌プレイボーイ出身の女優パメラ・アンダーソンとモトリークルーのドラマーであるトミー・リー。大物カップルのセックス・テープ流出を巡る実話をベースとした物語。

舞台は90年代ということもあり、ロック史的にはグランジの台頭、テクノロジーの変遷としてもインターネットの過渡期という事でどちらもLAの北(上)に位置するシアトルから2人を追い詰めて行く構図は非常に興味深かかった。
その中でジェンダー問題、リベンジポルノにおける女性の被害が如何に酷いかをパメラを通して描かれる。そんな状況下でも、流出したビデオの終着においてトミーと比較して最後にパメラが取る決断から彼女が如何に純粋で愛に溢れた人であるかが示される。

セス・ローガン演じるランドがアホ過ぎて笑った。確かに最初の盗みに至るまでの動機はわかるがビデオ流出後の動きが行き当たりばったり。カルマじゃなんじゃほざいておきながら、自ら働いた悪事は棚に上げそこから招いた結果に対して
「なぜ私にだけ悪いことが起きる!」
とほざき倒す姿は非常に滑稽だった。トミーに言われた通りパメラを傷つけたカルマを彼は背負うべくして背負ったのだ。反省したかと思いきやシアトルからのアダルトチャット会社社長からオリジナルのセックステープを大金でオファーされてからの変貌っぷりに声を出して笑った。まぁ大抵の人はこうなります。地味にここも自分の誠意を通したパメラと終始資本主義に囚われブレブレなランドの比較にもなっているのがうまい。

今作の監督クレイグ・グレスピーの劇場作品の『アイトーニャ〜』からそのままセバスチャン・スタンは前時代的で有害なダメ男役を演じていますね。暫く彼のこの路線は続くのでしょうか?
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