なかなか重いテーマをじっくりと描くなあと思ったらドラマWだった。
12年前の幼女殺害事件の犯人として刑務所に拘留されていた男は冤罪だった。
冤罪の犯人とその家族,被害者の家族、冤罪を作った警察、メディア、世論…。
これを全部描き切るには無理があるだろうテーマは家族にフォーカスしていく。
警察組織や政治的な動き名声を得る弁護士。
事件の真相は上手くまとめ過ぎの感もあるが意外な結末。
真面目一辺倒な職人的ジャーナリストが真摯に真実と向かい合う姿は清々しくもあり主演の仲村トオルによく似合っていた。
また大物政治家や小判鮫の政治家、事件の鍵を握っていたコソ泥、編集長などキャスティングははまりすぎるくらいはまっていた。刑事役の陣内と柴以外は。
そのハマったキャスティングはステレオタイプと言ってもいいくらいで保育士の娘の婚約者は銀行員とか、コソ泥の娘がウエイトレスとか…もう少し捻ってもいいと思うのはぼくの心がねじれているからだろう。
真相が解明してからが長い。
テーマとしてはこちらの方を描きたかったんだとは思うがあまりに情緒的で涙を誘おうとしすぎていて興醒めだった。
しかし、仲村トオルの熱演と國村の抑えた演技が上手く噛み合ったいいドラマだと思う。
DNA検査の精度について言えば実際の和歌山カレー事件などは冤罪と言ってもいいだろうし、警察組織の問題で解決していない事件は山ほどあるんだよなぁ。