とぅん

今ここにある危機とぼくの好感度についてのとぅんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

特に能力もなく見た目だけでアナウンサーをやってきた神崎真が、恩師から誘われて研究の改ざんに揺れる大学の広報担当に就任したことから始まる軽妙な社会派ドラマ。

冒頭からアナウンサーの仕事で被災地に行っても、何も中身のあるコメントをしない主人公の姿から掴みは完璧。
この中身の無い主人公がクレーム対応に強すぎて笑ったわ。松坂桃李名演。

研究結果の改ざんによる炎上、イベントに招致したゲストを巡る炎上からの総長の記者会見、謎の感染症のメディアの恣意的な報道による炎上、感染症の原因が大学の研究室から逃げた蚊なんじゃないかと思われたり•••大学の問題に直面する神崎。

最初はやり過ごし主義の理事たちに責任を押し付けられたりする神崎だったが、後半は責任を取りたくない理事たちと本気になった総長のやり取りあたりから、なかなか面白くなってきた。

最後は総長が本気になって、蚊の流出が大学からだと公表して、腐敗した組織の改革に乗り出すってラストだった。
理想を掲げるようなラストだけども、実際の腐った組織はこうはいかないんだろうな。

最終話の神崎が放った「この社会はクソだ」「俺みたいな奴は媚びないと生き残れない」ってセリフは、自分のことを言われているようで、かなり響くもんがあったな。
とぅん

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