RAY

バスケット・ケースのRAYのレビュー・感想・評価

バスケット・ケース(1982年製作の映画)
3.6
なんだこれはー(笑)

なんとも言えない面白さ…。
続編、3作目まであると言うのが何故か納得出来てしまう…。
ホラーと言うより、コメディと言った方が良いかもしれない。(※ただ、テーマはとても重要)


ストーリーは、シャム双生児で生まれた兄弟が、二人を無理矢理切り離した医師に復讐して行く…と言う内容。
そりゃ、復讐したくもなりますよな切り離し方。
注射だって“打つ”と言うより刺してるし(笑)。
しかも、切った女医は獣医だったって…
なるほど、「人間とは思っていない」ってそうでしょうね。

復讐によって殺されてしまうシーンが何度かあるのですが、多分、こう言うのを顔芸と呼ぶんだろうなと思う程、お手本の様な顔芸。
“復讐”と言う、兄弟にとっては最も重要なことが成し遂げられているシーンの筈なのに、ギャグにしか見えない!!(笑)


この映画のテーマのひとつは、“葛藤”なのだろうと思います。
身体的葛藤と精神的葛藤。
特に“奇形”として描かれた兄のそれは非常に大きく、重たいものだったと思います。
兄自身は特に特徴的に描かれているかもしれませんが、このことはそれでなくても現実においてもある話だとは思います。
たとえば性への葛藤だとかについてだってそう。
そう言う意味では、重要な事が描かれているし真剣に受け止めなければいけない部分も多い作品です。
だけど、この映画の手にかかれば、それはもう大変なことになってしまうのです。
言いたい事は分かるよ…分かるんだけどさ…と。
女性の下着を取ってクンクンしたりとか…。
笑うなって言う方が無理がある!!(笑)
それくらい“葛藤”のもたらす恨めしさや憧れ、そして苦痛は滑稽に見えても根が深いものであると言う事の裏返しなのかもしれませんね。

もう本当に、最後の最後までなかなか衝撃的な展開なのですが、それでも続きを観たいと思っている自分がいるなんとも不思議な映画。


全然怖くないので、ご興味のある方は是非。


あー面白かった。
RAY

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