RAY

音楽のRAYのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.6
“わたしに流れる音”


71分と言う短い上映時間の中に、音楽の本質みたいなものであったり、人の本質みたいなものであったり、本当に感覚的なことなのだけど、とても大切なことが詰まった映画だと感じた。

音楽についてまったくの素人でありながら、本質なんて言葉を使って良いものかと少し考えたのですが、なんというか、感覚的に「本質だ」と思うのです。

世の中には様々な表現があるけれど、中でも音楽は人の中にある色んな“かたまり”みたいなものを表現しているんだと思っています。
数分の短い時間に込められたその表現は、まさにその人そのものであって、つまり、生きているってことなのだと思う。
自分の本当の声は他人にしか分からないけれど、自分の中に流れる声や音は自分にしか分からない。
だからこそ、必死に言葉を紡いで、時には叫んだりもするのだと思う。
そうやって生まれる音はきっと唯一無二の音で、それはもしかしたら“音楽”なんて大層なものとしては表せないかもしれないけれど、きっと誰かに届くのだと思う。


そう言えば、僕が中学生の頃、19(ジューク)が大好きで、しょっちゅう彼等の歌を聴いていたのですが、中でも、『音楽』というアルバムが好きでした。その頃の彼等はイラストレーターの326さんと一緒にやっていて、ほとんどの歌詞を326さんが書いていたのだけど、そのアルバムの中にある、今度は『音楽』という曲の歌詞に、“音楽で話そう 言葉なんて追い越してさ この地球(ほし)の言葉で”と言う表現があって、当時はどちらかというとメロディーだけが頭に入ってきて、言葉は印象的だけどなんとなく分かるくらいの感覚しかなくて。だけど、年齢を重ねて、この映画を観て、またこの歌詞のことを思い出している。だけど、今は当時よりも、この歌詞や音楽のことについて自分なりの答えが在る気がしています。

そんな昔のこともちょっとだけ思い出させてくれた映画でした。

説明までも感覚的でごめんなさい。


観て良かった。



【今でもフォローして下さっている皆様へ】

性懲りも無く、何事も無かったかの様に書いてしまいました。

此処を離れてから随分と時間が経って、その間、映画を観ることからも離れてしまっていました。
それは、コロナの影響で映画館に行く機会が大きく減ってしまったこともあるけれど、一番は心に余裕が無かったと言うのが理由です。
じゃあ、今はまた余裕が出来たのかと言うと、そんなことは無くて、寧ろ、時間だけなら以前よりもずっと無いかもしれない。
それでも、コロナ禍となって、人との距離を色んな意味で考えたり知ったりする中で、単純に言葉にしたいと思う様になりました。
顔は見えなくても、声は聞こえなくても、誰かがいること、いてくれていることを感じたくなりました。

寂しがりか!

うん。その通りなのですけど、そんな風に思えたことを大切にしたいなと今は思っています。

今も繋がっていて下さった皆さん、ありがとうございます。
読んで下さった皆さん、ありがとうございます。
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