fujisan

ニルマル・プルジャ:不可能を可能にした登山家のfujisanのレビュー・感想・評価

3.8
前向きな気持にさせてくれる良質なドキュメンタリーでした。

”リアルスーパーマンな登山家” のドキュメンタリー。

ネパール人登山家ニルマル・プルジャ(ニムス)と彼のグループが、約半年という短さで世界14の8000メートル峰(14座🗻)を全て制覇する様子を記録したドキュメンタリー。

それまでの最短記録は7年。山のプロたちも絶対不可能という挑戦ですが、ニムスはとにかく前向きな人で、不可能と思われたことも「やってみなければ分からない」と考える人。

「死ぬなら明日だ。今日じゃない!」という不屈の闘志でやり遂げます。

そして、ポジティブ思考の彼の周りには自然に明るい空気が流れ、場の雰囲気をポジティブに変えていきます。

エベレストと並んで登頂困難と言われるK2では、登頂を中断しベースキャンプ全体が沈む中、ニムスがキャンプに到着することで明るい雰囲気となり、結果、全員が登頂に成功します。

人はどういう環境に身を置くのかが大事だなーと改めて感じた映画。これを観るだけでも、前向きな気持にさせてくれると思います!



以下は雑感です。(長いので適当に流してください・・)

□ チャレンジの目的
「過小評価されているネパール登山家」の評価を上げること。ネパール人登山家はシェルパとして世界の登山家の成功をサポートしているが、名前は残らず評価されない。そのため、ネパール人のみのチームで偉業を成し遂げ、世界にアピールする。

□ 記録の凄さ
世界の14座を6ヶ月と6日間で登頂。途中6つの世界記録を塗り替える。ポジティブ思考でありながら決して無謀ではなく、緻密な計画が立てられています

□ まとめて登ってしまおう
エベレストとローツェ、マカルーの3峰を48時間(!)で一気に制覇してしまう(もちろん世界記録)

□ ニムスは肉体エリート
ネパール内で屈強で名高いグルカ兵になり、その後イギリス特殊部隊へ。体作りのために、朝3時に起きて35キロの重りを背負って20キロ走り、夜まで筋トレ、これを半年続ける(何者やねん・・🤮)

□ 負傷者は必ず助ける
負傷者はとにかく助けに戻る。自分が登山病に罹って幻覚を見ていてもいても関係なし。背負って下りる。泣ける・・

□ 二日酔いでも8000メートル峰登頂
短い期間で次々登るためスケジュールが超タイト。パーティで飲み過ぎ、二日酔いでベースキャンプへ。なんとそのまま登ってしまう・・・🤮(通常は登頂に4日かかる山らしい・・)

などなど、フィクションのようなスーパーエピソードが次々に登場します。


<感想>

□ 更に酷くなっているエベレストの現状
2000年舞台の「エベレスト3D」から商業登山は更に活発に。頂上付近に300人の渋滞っていう異常事態・・🤮
参考:エベレスト「死のゾーン」で「渋滞」、生還者が規制強化訴え 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3227109?utm_source=pocket_saves

□ イーロン・マスクに似てる?
不可能と言われたロケット再着陸を実現させたイーロン・マスクに似てるなー思ったら、製作総指揮のジミー・チンはイーロン・マスクのNETFLIXドキュメンタリーの監督さんでした。。なにか通じるものがあるんでしょうね。

□ 奥様あってこそ
資金不足で貧乏になろうが、いつ死んでもおかしくないようなチャレンジをし続ける夫を励まし、送り出す奥さんの肝の座りっぷりも素晴らしかったです!


以上、また元気ない時に観ようと思ってる映画でした!
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