👶2022年132本目👶
映画としての見せ方は『告白』と何ら変わりない気がするけど、そこに母性を混ぜてくるとここまで忌まわしい気持ちにさせられるとは…
男性にとっての母と、女性にとっての母って(親子関係にもよるけど)、同じようで全然違うもの。愛が深過ぎても、時に支配的なものを呪縛として歪みを残してしまうのかもしれない。
呪縛のような愛の連鎖が、どこかでかけ違えた時に永遠に母になれないのかもしれないし、いつか突然自然となっているのかもしれないし。
子を産んで育てる事で、周囲からは立派な母としてやっている感が出るけど、実際は映画の中で語られていたように、母性とはあるようでないような、空想的なものなのかもしれないなと漠然と考えさせられた。
母性って本当に何なんだろうな…
普通に観てしまうと結構辛い描写とか怒りたくなる描写も多いけど、頭の中で『告白』のようなザックリしたどんでん返しを想像していたので、ドロドロした時間も比較的楽しく観れた。
それぞれの演技がとても良かった。
高畑淳子が群を抜いて素晴らしかったけど、幅広い年代を演じ分けた戸田恵梨香の狂気的な演技も映画の中で時間が経てば経つほど染み付いていってたのを感じたし、永野芽郁も『マイ・ブロークン・マリコ』で観た時よりも今作の方が俳優として映えていたと思う。
この映画は明確に何かを結論づけるわけではないけれど、それでも心の中にじっとりとした母娘の呪縛を感じさせられたし、自分も早くに母を亡くしたけど、父とはまた違った思いが母には強くあったりするので、嫌な言い方をすれば <呪い>のような絆は消えないのだと思う。そんなことをじわじわと考えさせられる作品でした。
私が参加した試写会とは別に母娘限定試写会というものがあったけど、これを見た母娘はどんな空気になったんだろうと思うと面白い。
試写会にて。
(ワーナー 内幸町試写室)