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スニーカーシンデレラのRenのレビュー・感想・評価

スニーカーシンデレラ(2022年製作の映画)
3.0
It’s Cool! 旧時代的と言われて久しい「シンデレラストーリー」をリブートした映画としてとことん気持ち良い!おしゃれなスニーカー買いたくなった。

現実世界の話に引き寄せた訳ではなく、ファンタジーのまま題材と舞台設定を書き換え再構築した作品です。現代で『シンデレラ』をリブートすると『魔法にかけられて』×『アラジン』になるのね。

ストリート文化の香りが全編に渡って散りばめられており、『ハイスクール・ミュージカル』を初めて観たときに似た高揚感を味わうことができた。ヒップホップとラップバトルとポップスが混在するサントラもディズニーのお家芸と言った具合でシンプルにテンションが上がる。曲がイイ!

今風のパキッとした映像も綺麗でスタイリッシュで楽しかったけど、ところどころCGがチープに思えてしまったのも確か....(序盤の電車のところとか)。

身分や経歴を結果的に偽る形になり、夢や恋や挫折や失望を寄り道しながら、「夢・目標へ手を伸ばしてみること」「境遇も実績も関係無く、ただ自分の持っている強みをぶつけること」を見せてくれる令和のフェアリーテイル。
全シーンに対してツッコミは止まらないのだけど、こんなものだろうという納得感(?)。メッセージはメッセージとしてきちんと伝えながら、歌とダンスと底を流れる性善説のおかげで後味はどこまでも爽やかになっており、ケレン味たっぷりのおとぎ話をやるぞというマインドで作られたのだと感じた。
古典のリブート作品も、こんな映画ばかりなら大歓迎!もっとやって!

その他、
○ エルがガラを目指す動機、家(店)を売却するショック・危機感。この2つはもっとあって良い。
○ 靴の持ち主を探すシークエンスは、現代ならSNSでやればいいので確かにこうなるわという面白さ。体力的な徒労感が一切無い。
○ 義理の兄たちが悪役のための悪役。こういう奴らは現代にも絶対にいるけど、その描き方/深め方 は『シンデレラ』からブラッシュアップできたのではないか。
○ 喧嘩・口論・ぶつかり合いをラップバトルで柔らかく楽しくハイテンションに表現するのは、作品の温度感からしても理に適っている。
○ 花火とビルが映る場面のカメラワークは、完全にディズニーロゴ(上映前に絶対見るやつ)のセルフオマージュ。
○ エルのスニーカーは、最初にデザインしたもののほうが素敵だった....と思ってしまった。
○ エルの友人・サミが可愛いすぎた。ちょっとアナ・デ・アルマスらしい愛嬌がある。boringな感情を表すときに白目を剥くのやりすぎだけど可愛いから許す〜。ただ俳優さんの情報が無さすぎる....!
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