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フラバーのRenのレビュー・感想・評価

フラバー(1997年製作の映画)
2.5
『マスク』や『ホーム・アローン』や『スパイ・キッズ』といった「そういう映画」を色々混ぜたうえで最大限希釈しSFコメディとラブコメと泣ける要素(?)をちぐはぐにパッチワークしたお手軽コメディ。迷作と珍作の間をフラバーする95分。

リメイク元には不在だった浮遊ロボットのウィーボがとても良い。ほぼウィーボの話で、フラバーなる存在(素材?)はウィーボとブレイナードの話を接続するための添え物、引き立て役、賑やかしだった。新たに加えられたウィーボの分、リメイクもとよりスコアをプラスした。

残念ながら、その他にリメイクとして良化した部分は無い。
うっかり者として笑って消費するには相応しくない主人公。
散々傷つけられたのに結局戻ってくる(ように設定された)ヒロイン。
変えたほうが絶対に観やすくなるのになーと思う点が30年前そのまま再現されていた。悪役も悪役のための悪役すぎる。コメディだからなんだっていいのだけど、基本的にブレイナードとウィーボ以外はキャラクターとして死んでいた。

フラバーのあまりのルールの無さは、ちゃんとこの世界のフィクションラインに沿っていて許せた。車がバウンドせず普通に浮遊するロジックだけはまだ納得行ってない。

本来はフラバーの話でないのにフラバーの話にしないといけないから、フラバーの話になった瞬間にどうでもいいコメディに感じてしまって最後までダラダラしていた。そもそも、ずっと空中に停滞できるロボットを最初からだしたらフラバーへの驚きは無いのよ。この辺りからも、このリメイクはウィーボの話にするぞと製作陣が腰を据えて挑んだことが窺える。

その他、
○ なんでボウリングの球よりゴルフボールぶつけられた人間のほうが重症っぽいんだよ。
○ ラストの結婚式。妻は夫の特性・都合に合わせるものという価値感でしかなくて最悪だった。
○ 水鉄砲のくだりだけ別の作家入った?ボケとしてあそこだけ明らかに変すぎない?
○ これぞロビン・ウィリアムズな作品だけど、この次の出演作が『グッド・ウィル・ハンティング』でしかもアカデミー助演男優賞受賞。どういう作品選びだ。
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