456京都公式

探偵マーロウの456京都公式のレビュー・感想・評価

探偵マーロウ(2022年製作の映画)
5.0
セリフがいちいち気取ってるのです
サスペンス映画ならもっと
事実を淡々と積み上げて欲しいのだけど
ちょっと引っかかるというか
思わせぶりなセリフばっかりなのです
これじゃミスリードどころかミスディレクションね
でも現実なら
そこそこの知能指数どうしの会話だとこうなるかもね
はしょれるところをはしょって
当人以外だと「?」になるやり取り
精神的に疲れますけどね
(行きつく先はニュータイプ理論かな)

それをセリフじゃなく
雰囲気で表現するのにこだわったのが
「ロンググッドバイ」(1973)だと思うのだけど
その反動で
推理の破綻やキャラの崩壊に陥っていて
原作ファンはストレスを溜めていたはず
今作はその点きっちり仕上がってましたね

ところが
本作の原作ってチャンドラーじゃないんですね!
そのうえでこの完成度とくれば
ベンジャミンブラック氏のみならず
制作サイドや出演者の努力に頭が下がりますわ
こういう成功例って
あまりないんじゃないでしょうか

あと
ハードボイルドといえばタバコですが
マジでやたら吸いまくりますね
タバコをあげたりもらったりして
みんな四六時中ケムリを吐いてます
そういう意味では
最近は俳優陣も
昔より非喫煙者が多いかも知れません
電子タバコではサマになりませんよね

そしていつものようにアタクシは
原作本を買ってきたので
これから読むのでありますが
本の値段ってものすごく上がってますね
文庫本で1,480円(+税)って
アタクシ世代の単行本の値段だわ
ハードボイルドじゃなくハードカバーのね