456京都公式

オッペンハイマーの456京都公式のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
ダウニーの香りが苦手なのだ
アレルギーというわけではないのだけれど
鼻腔の奥が痒くなるのだ

数年ぶりに押し入れから引っ張り出してきたスウェットから
めちゃくちゃダウニー臭がするのだ
結婚していたころの名残なのだ

ダウニーJr.の顔が苦手なのだ
初めて見たのはいつだったか忘れたけど
クスリ問題とは関係なくずっと前からダメなのだ

今回の黒縁メガネをみてはっきりした
アタクシの親父に似ているのだ
何をやっても敵わない圧倒的な存在
目の前にいてるだけでビビるのだ

そんなダウニーの鼻をオッピーが明かしてくれる
これほどスッキリすることはない
もちろんオッピーの名誉回復映画というだけで
じゅうぶんにスッキリするのだけれども

厳密に言うと
鼻を明かしたのはオッピーではない
この作品はオッペンハイマー博士の「出会い」の映画なのだ
敵味方を問わず
彼と関わった人たちの物語
そんな営みの中に
鼻を明かす人と明かされる人がいてるのだ

実話なのに
登場する人すなわち出会った人みんなが
それぞれに良くも悪くも替えの利かない役割を果たしてる
人生における出会いとは
きっとそういうモノなのだろう

アタクシのスウェットに
ダウニーの香りが残っているのも
別れた奥さんと出会ったからなのだ
たとえ苦手な香りでも
幸せだったころの記憶に違いないのだ