スコセッシフォールド全開

ONE PIECE FILM REDのスコセッシフォールド全開のレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.8
ONE PIECE FILMとしてはいろいろと新鮮。原作の漫画が最終章に入るということもあり気合を感じる。ブルーノやカリファといった懐かしいキャラも登場。擬人サニー号がチョッパーとデザインかぶりしてて面白い。
海賊や海軍、世界政府ではなく、戦争による犠牲者である民間人に焦点を当てている。尾田栄一郎は一貫して誰かが悲しむような暴力は否定している。
かなり音楽に力を入れているのがよく分かる。序盤から終盤まで手を緩めることはない。大勢の著名なアーティストが楽曲提供に協力をしている。挿入曲全ての曲調が異なる工夫◯。それを歌いこなすadoが◎。『新時代』は予告が公開された日からずっと聴いている。にしてもAdoの押し売り感がすごい。こっちはコンサートを見に来ているのではない、と思ってしまった。歌声はかなり好きなのだがお腹いっぱい。
作画は凝りすぎて逆に見にくい(一部だけ)。シャンクスの攻撃は何が起こっているのか分からなかった。スクリーンが小さく密に感じてしまった説がある。
尾田栄一郎監修なので初お披露目要素が多く熱い。これ目当てに来ているところも正直ある。あまり語られてこなかったシャンクスの過去とその実力。中将が足から崩れ落ちるほどの規格外の覇気。赤髪海賊団の戦闘シーン。ラッキー・ルウの動けるデブ感。ウソップとヤソップの共闘。見聞色の覇気の制御。ギア5ニカの映像化。
ONE PIECEの完結を望んでいる自分とそうでない自分がいる。