うるぐす

メタモルフォーゼの縁側のうるぐすのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.5
この物語が、ファンタジーではなくありがちな物語になったら、それはとてつもなく幸福なことだ。

とてもよかった。
芦田愛菜と宮本信子をキャスティングした時点でもう120点。あと光石研もやはり最高。
なにわ男子の高橋恭平もよかった。座組がとにかく良かったし、なにより脚本は岡田惠和。
エンタメの世界にだけでも悪い人を作らないのが岡田さんの願いなのか、人間を心の底から信じているのか、ほんとに嫌なやつが出てこない作品ってとても救われる。嫌なやつなんてものも見えてる一面にすぎない、と捉えてるのかもしれません。

この映画を好きになるポイントは結構あって
①誰かが何かにハマる瞬間のワクワク感
②好きなものをだれかと共有するドキドキ
③それを通じて誰かと心を通わせること
④異質な関係の2人から物語が弾けること
⑤何かをやってみる、やり遂げることの大切さ

などなど。
本当に、愛くるしい描写と温まるシーンの連続。優しくて温かさがある。それがこの映画をみんなが好きになる一番なのではないか。

芦田愛菜演じるうららの相手を羨んだり、自分のダメなところにばかり気がいったりするところにも共感してしまうし、宮本信子演じる雪さんに自分まで救われたり、いろんなところが重なりながら、すごくいい映画を観たと思いました。

この映画に救われる人はとてもたくさんいると思うし、この映画のようなつながりがいまこの世界にはとても必要だとも思ったのです。
うるぐす

うるぐす