これは刺さる。刺さりまくった。
もう号泣物件です。途中からずっと泣いてた気がする。
「映画を作る映画」ジャンル(本作ではテレビシリーズだけど)の新たな傑作の誕生を称賛します。
「映画を作る映画」は多いけど、アニメの現場が舞台なのは珍しい。ほか、あったっけか?
私はただの「受け手」なんだけれど、もう「ありがとうございます。ありがとうございます」しかなかった。
ただの「受け手」と書きましたが、自主製作の8ミリ映画なら何本か撮ってるんです。
較べるのもおこがましいけれど、初回上映会の瞳さんの気持ち、リアルにわかりました。
あれ、味わったことあるんです。
関西の大学の映画研究部の合同上映会に私の作品が出たことがあって、要するに身内以外の目に触れる機会だったんですよね。で、自信のある作品だったんだけど、どうしたことかその場で上映が始まると、不意に「これ、駄作なんじゃないか」って考えが脳裡によぎった。それがどんどん大きくのしかかってきて、そうなるとどのカットも全部ダメなものにしか見えなくなってくる。
「ああ、何て作品をおれは撮って、そしてこんなところで上映なんかしてるんだ」
体中汗だらけになるわ、嘔吐しそうなくらい気分が悪くなってきた。
(瞳さんと違って、その場で一緒に観てなきゃならなかったんです)
映画が終わって照明がつく。
顔なんか上げてらんないですよ。
ずっと下を向いてたんだけれど、拍手が起こりました。
顔をあげたら皆さんいっぱい拍手してくださってた。
だから、本作とまったく同じ。
そこでほっとして、途端に「ほら。俺様はやっぱり天才じゃん!」なんて思ったり(←どうしようもない奴)。
そんな体験でした。
だから、あのシーンで、何十年ぶりにその感覚を思い出して、「瞳さん、わかりますよ~!(涙)」ってなりました。
そこへ行くとヒッチおじさんは全然違うかったよね。
アンソニー・ホプキンス主演の「ヒッチコック」の、「サイコ」上映シーン。
ロビーにいるヒッチコックがシャワーシーンの観客の絶叫に合わせて、指揮者のように踊ってた。
まさに「客を手玉に取る」の体現。
まあ、あれは映画的演出なんだろうけれど、ヒッチさんならそれくらい自信に満ちてたんだろうなあ、といういいシーンでした。
話がだいぶ逸れましたね。
ともかく、刺さりまくりました。
もう、満点しかありえません。