新人アニメ監督の瞳（吉岡里帆）と復帰を目指すベテランアニメ監督王子（中村倫也）の対決とチームでのモノづくりの苦労と情熱を描いた映画。
二人の監督の描く二つのアニメは、両方共クオリティが高いようだが、私は、そのストーリイに入っていけなかった。また、このアニメの同時放映日に、あたかも日本中の人がこの二つのアニメのどちらかを観ているような描写にも冷めてしまった。
しかし、二人とも、作品を生み出すためにもがき苦しんで、急な無理な変更をしてまでも、何とか納得できるものを生み出そうとすることや、二人のプロデュ―サーが、監督と対立しながらも作品と監督の為に、行城（柄本佑）は敢えて瞳を引きずりまわし、有科（ 尾野真千子）は、王子の為に局と戦う覚悟を決める所がとっても良かった。この二人は、このようなモノづくりを、本当に知っている人なのだろう。
中村倫也は、いかにも自分を押し通してきた監督という感じだったし、吉岡美帆は、新人監督には見えなかったけれど、自分の信念を通そうとするのが合ってたし、柄本佑はただただ上手かったと思う。
この映画は、全くヒットせず、いわゆる“爆死”だったとか。「ハケンアニメ」の題名は、私を含めておそらく誰もが、“派遣アニメ”と思い、“覇権を争うアニメ”と思った人がいなかったよう。小説(未読)ならまだしも、題名が、この映画が、爆死した要因の一つかもしれず、題名はこれほど大きなものだったのだ(2024.4.5)。
