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私だけ聴こえるのkyokoのレビュー・感想・評価

私だけ聴こえる(2022年製作の映画)
4.0
ろうの親の元に生まれた健聴者の子どもCODA(Children of deaf adults)。

不幸じゃない、でもろうだったらもっと楽になれる、親と離れたい、でも愛している、同情はいらない、共感だけが欲しい。
ヤングケアラーとしての立場を強いられる苦痛はもちろん、聞こえない世界と聞こえる世界を行き来しているうちに、どちらにも自分の居場所を見いだせなくなった若者たちの苦しみは、映画『コーダ』で知れること以上に複雑で、難しい問題だった。

親に対する煩わしさからつい現れてしまう残酷さもある。仕方ないとはいえ、あのクリスマスパーティのシーンはちょっと辛かった。でもあれだって同じコーダが見たら共感しかないのだろう。

完全に理解することはできないかもだけど、少しでも知ることが大事。このドキュメンタリーはその役割を十分に果たしていると思う。
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