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冬薔薇のdarumaのレビュー・感想・評価

冬薔薇(2022年製作の映画)
3.8
新作セール〆。これは準新作になってたんですが、以前レンタル中だったので今回は借りよう!と思ってた作品です。奇しくも直近で劇場で観た「せかいのおきく」の阪本順治監督の作品になりました。

事前情報としては、まず、伊藤健太郎くんに惹かれて。
あとは、彼の復帰作のわりにはあまりヒットしなかった…ということ。

観終わって、うん、なんかわかる、と思いました。

なんだろうな…一言で言うと、
 コマ割り
という印象を受けました。
エピソードがぶつ切り?連続性に欠けるというか。
コントみたいな??
そういう意味では、ちょっとせかいのおきくに似てる。
(嫌いではない)

カーディガン

ミニトマト
がツボすぎた…(笑)

阪本監督のテイストはこれか!ということがよくわかりました。

演者さんについては、今回は和田光沙さん、わかりました!(嬉)
(1つ前に観た激怒にも出られてたんですね…そこは気づきませんでした)

真木蔵人さんはここだったのか!と思った。(せかいのおきく)
石橋蓮司さんは阪本組の常連だったんですね。
(観れていないのですが「一度も撃ってません」が主演なんですね!)

冒頭に木下グループ(製作。配給はキノフィルムズ)と出たので、おおっこれは期待できる…!!(個人的に好き)と思ったんですが、ちょっと想像とは違ったかな。
でも、ある意味とても「らしい」作品だと思います。
ちょっと(年齢が)上の層をターゲットにしてる時の木下グループ、という感じです。

ちなみに坂東龍汰くんと河合優実ちゃんは木下グループ傘下の事務所ということを事前に知っていたので、ああやはり…!と思いました。(という役)

あと毎熊克哉さんも好きなので私得だった。

余貴美子さんはいつも、ハッとする役をされるなぁ…と思った。
凄すぎる。空気が変わる。
息子に言うその一言でもう、持ってかれました。

ストーリーは、これ、(主演の彼の)事件の前に撮ったのかな…?一瞬そう思ったのですが(公開タイミングが事件とコロナで飛んじゃったのかなと)、監督が脚本を当て書き、かつ御本人に聞き取りをして作ったとあったので、やはり後なんですね。

どちらかというと、私の中ではいい人の役のイメージが強いので、こういう「物凄くいいかげんな役」というのは新鮮だったしムズムズ(イライラ?)したけど(リアルに重ねたつもりなのかな…と思ってしまった)、他の方にはどう見えたのか、気になります。

キャラクターはやはり自分の立場的なものか、お母さんがよくわかるなぁと思いました。
めんどくさい、がリアルすぎた。わかりすぎる。
この一言が、全体を支配していると言っても過言ではない。

(でも花に水はちゃんとやる。それが「らし」すぎた。めちゃめちゃわかる。なんていうか…やればやっただけ応えてくれるものと、そうではない、意思を持ったもの、の違い)

伊藤健太郎くん自体も上手いと思いますが、脇のキャストを揃えに揃えた作品だと思います。
全くカタルシスは無い…と思うし、イライラもするけど(裏を返せばそれだけリアルだからだと思う)、演技を見るのはおすすめ。
リアルという意味では、エモ系が好きな人にも合うかも。
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