誰が観ても普通に楽しめる映画
「あらゆる武器がこれを操る者の身体の外延を成すとするなら、激烈な化学反応によって毎秒800mを超える速度を獲得した弾丸とは、速度と慣性質量の合成エネルギーと化して他者へ打ち込まれる意志に他ならない。」という"弾丸=意志"の見立てから生まれる映画的魅力は『大列車強盗』の昔から人の心を射止めてきた訳だけど、『RRR』における弾丸描写はストレートにこの王道を貫く演出で超アガる。正に心を撃たれた。
布石や伏線の張り方は物凄く丁寧だし、画面のレイアウトは努めて分かりやすい。キメのシーンはどれもきっちりキマっている。こうゆう綿密な理詰めを怠らないビッグバジェット映画はやっぱり面白い。鑑賞のノイズになりうる要素を一つ一つ取り除いているからこそ、観客は理屈抜きに全力で楽しめるんだと思う。
